岡義達先生の政治学を分析する

4月に出た、前田亮介編『戦後日本の学知と想像力――〈政治学を読み破った〉先に』(2022年、吉田書店)は、東京大学駒場で御厨貴ゼミに参加した若手研究者たちの論文集です。御厨先生の古稀にあわせて出版されました。

そこに、澤井勇海執筆「岡義達 行動論・象徴論から演技論へ」が収録されています。前田亮介さんの「序」には、次のように紹介されています。
・・・澤井勇海「岡義達 行動論・象徴論から演技論へ」は、その難解さと寡作ぶりがしばしば秘教的に語られてきた『政治』の作者(岡義武の歳の離れた弟でもある)の政治学の全体像を提示した、おそらくはじめての論考である・・・

私は大学3年の時に、岡先生の政治学の授業とゼミを取りました。『政治』は、最初に読んだときは歯が立ちませんでしたが、何度かくり返し読むうちに理解できるようになりました。古典から最近の新聞記事まで背景にある知識が広く、さらりと引用されているので、それらを知っていないと理解できなかったのです。それさえ分かれば、そんなに難しい文章ではありません。「思い出の本、その2。岡先生「政治」
惜しむらくは、もう何冊か書いてくだされば、もっと理解しやすかったでしょうに。

1991年生まれの澤井さんは、岡先生に直接指導を受けたことはないでしょう。御厨先生を通じてだと思いますが、どのようにして関心を持たれたのでしょうか。