時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第3回「コロナ禍をコロナ成果に」が配信されました。今回は、コロナ禍によって私たちはどのようなことを学んだか、何を教訓にすべきかについて書きました。
人や組織は、困難を乗り越えることで強くなっていきます。自然災害については、阪神・淡路大震災と東日本大震災でたくさんのことを学び、対応力を強化してきました。
今回のコロナ禍にあっても、うまく対応できたこと、まずかったこと、隠れていた問題が見えたことなどがありました。
在宅勤務やオンライン会議が一気に普及したことは、思わぬ効果です。以前から言われていたのですが、機器が整備され、遠慮なく在宅勤務ができるようになりました。一方で、病床があるのに患者が受け入れられないという欠陥も分かりました。
このような経験と問題点については、各分野で検証が始まっています。今回、私が指摘したのは、全体像、司令塔の検証です。緊急時に動員できる資源(人、物、能力)には限界があります。また、感染予防のための行動制限と社会活動の継続は、相矛盾しています。両方同時には成り立たず、またどちらか一方を取るわけにはいきません。「ちゅうちょなくすべての対策を直ちに打つようにすべての担当者に指示」してはいけないのです。東日本大震災での私の経験を踏まえて、提言しました。
次の災害に備えて、コロナ禍を「コロナ成果」にしなければなりません。