幸福学、前野隆司先生

日経新聞夕刊「人間発見」、4月11日から、幸福学研究者の前野隆司さん「幸せはどこにある」です。前野先生は、このホームページや連載「公共を創る」でも紹介しています。

・・・人はどうしたら幸せになれるのか。そのメカニズムを明らかにしたいと思い、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さんは「幸福学」という学問を始めた。哲学や心理学といった文科系の思考だけではなく、データに基づく理科系の視点から幸福の本質をとらえる・・・

・・・幸福学の基礎となるのは、1500人の男女から集めたアンケートを基に統計的手法を用いて導き出した4つの因子だ。
1つ目は自己実現と成長です。「やってみよう」因子と名付けています。やりがいや強みを持ち、主体性の高い人は幸せということを表します。2つ目は「ありがとう」因子。つながりや感謝、利他性や思いやりを持つことが幸せにつながります。
3つ目は「なんとかなる」因子です。前向きで楽観的、何事もなんとかなると思えるポジティブな人は幸せです。4つ目は「ありのまま」因子。自分を他者と比べすぎず、自分らしさを持っている人は幸せになります。
この4つの因子を満たすように心がけていれば、幸せになると提唱しています・・・

・・・働き方改革や健康経営の重要性が叫ばれるなか、企業の幸福学への関心が年々、高まっている。
企業に呼ばれて話をしたり、企業が私の講演に社員を参加させたりと、関心の高まりを実感しています。企業の目的は利益を上げることですが、そのためには従業員を幸せにすることが大事だとの認識は着実に広がっています。
従業員を幸せにする経営の有効性については、様々なエビデンスが得られています。幸せな従業員は不幸せな従業員に比べて生産性や創造性が高い、欠勤率や離職率が低いなどです・・・