がん基本法、家族をも支える

4月3日の読売新聞1面「地球を読む」、垣添忠生・日本対がん協会会長の「がん基本法15年 家族も支える医療 進展」から。

・・・今年は、「がん対策基本法」が施行されて15年という節目の年である。より良いがん治療を求める患者の声がようやく政治に届き、法成立に至った画期的な出来事だった。
07年4月に法律が施行され、国は、がん対策の青写真となる「がん対策推進基本計画」を策定する「協議会」を設立した。
基本法には、委員に「がん患者及びその家族又は遺族を代表する者」を選ぶと明記した。従来なら、メンバーはがん医療の専門家や有識者だけだったろう。同月中に初めての協議会が開催され、委員18人のうち、患者と家族、遺族の代表が計4人加わった。

協議会は第1期基本計画(07〜11年度)について議論し、事務局からは、すべてのがん患者のQOL(生活の質)向上を目標にするとの案が示された。
これに対し、がん患者家族や遺族代表の委員から、「がん患者も大変だが、家族も同等、あるいは患者以上に苦しむ。家族も加えてほしい」との意見が出た。当初案は全会一致で、がん患者・家族のQOLの向上へと修正された。
がん医療は、患者と家族を、医療スタッフらが支える態勢を目指すことになった。その意義は大きい・・・