このホームページで、時々紹介する肝冷斎。冬も、元気なようです。
毎日、長文の古典漢文解説を書いています。よくまあ、これだけ知っていて、さらにそれを毎日(毎晩?)解説するというその根性に感心します。いつ寝ているのだろう。
もう一つは、野外調査です。先々週の週末は、埼玉県騎西、加須方面。千葉県四街道方面。地元の方には申し訳ありませんが、普通の人が行く観光地ではありません。先日の3連休は、都内高幡不動、日野方面。さらに博物館美術館巡りです。この寒いのに。
まだ、野球観戦はできていないようです。
2月1日の日経新聞夕刊「妬みの感情 成長につなげる」、澤田匡人・学習院女子大学准教授の発言から。
・・・「自分より人気がある」「自分が受からなかった学校に合格した」。人間は自分が持っていない何かを持つ他人が妬ましくなるものだ。雲の上の存在に対しては、憧れることはあっても妬まない。相手との差がわずかだと思い込むときの方が、妬みを感じやすい。
子どもの言動から妬みが透けて見えると、親は思わず「人を妬んでどうするの」などと、否定してしまいがちだ。だが、さまざまな調査や脳画像を用いた実験などから、妬みの感情は痛みの一種であることが分かっている。大事なのはまず「そうなんだね」と子どもの痛みを痛みとして受け止めることだ。
否定してしまうと、本人にとって深刻な悩みであってもそれ以上話を聞けなくなる。子どもが感情をうまく言葉で表現できないなら「羨ましいんだね」などと言語化する手伝いをしてあげたい。親ができるのは対話を通し、何が羨ましいか「妬みの解像度」を上げる手助けをすることだ。
小学生は諦めの気持ちがだんだん強くなる中学生とは違う。相手に近づくために頑張りたいという気持ちから「どうすればいいか助言がほしい」と感じる傾向がある。
つまり、具体的に何に妬んでいるかを聞き出し、どんな努力が可能かを教えると、妬みをきっかけに世界を広げられる可能性がある・・・
・・・妬みの対処法は大きく3つに分類できる。相手に近づけるよう自分なりに努力する「建設的解決」や、気持ちを考えないようにする「意図的回避」、悪口をいったり無視したりする「破壊的関与」だ。
気を付けたいのは、相手に近づく努力だけですべてを解決できるわけではないことだ。身体能力や体つきなど、行動や努力ではどうしようもできないこともある。真面目に取り組みすぎるとさらにつらくなる可能性がある場合、有効なのが意図的回避だ。
例えば、脚の長さは努力で伸ばせないが「かっこいいって脚の長さだけで決まらないよね」と親子で会話する。「あ、もうどうでもいいかな」と子どもが思えればそれでいい。「一緒にゲームやろうよ」と親が誘って気を紛らわすのも一つの考えだ。
友達を攻撃する破壊的関与は避けたいところだ。イライラをぶつける八つ当たりという形で親が受け止めてすむなら、それも解決策だろう。ひとりで抱え込ませるのではなく、解き放てた方が妬みをうまく生かすことにつながる・・・
大人にも有意義な話です。
2月11日の朝日新聞1面子供用クイズ「しつもん!ドラえもん:なら編」は「奈良県と和歌山県を結ぶ一般道では日本一長い路線バスがあるよ。何時間かかるかな」でした。
答は、6時間半。「奈良県橿原市から和歌山県新宮市にかけての169・8キロを走る奈良交通の「八木新宮線」だよ。停留所は168カ所もあるんだ」
私はこの路線に、始点から終点まで乗ったことがあります。高校1年生の15歳の時、52年前のことです。高校総体のサッカー全国大会に、補欠で連れて行ってもらったのです。その帰りに、利用しました。2010年に「十津川村で講演」で書いたことがあります。
当時は、今より道路は悪路だったでしょう。山道にさしかかると、「頭上の棚の荷物を座席に降ろすように」と言われたことを覚えています。
「路線図」の一番下の朱色です。「時刻表」
2月4日の読売新聞1面に「高校生就活の「1人1社」、「見直す」は2府県のみ」という記事が載っていました。
・・・高校生の就職活動で、最初に応募できる企業を1社に限定する長年の慣行「1人1社制」について、2022年度以降に「見直す」としたのは2府県にとどまることが読売新聞の全国調査で明らかになった。
高校生の就活では、3年以内の早期離職者の割合は4割近くに上っている。今年4月に改正民法が施行され、成人年齢が18歳になるのを前に、47都道府県の教育委員会に1月下旬までの検討状況を尋ねた。
今年度、就活開始時から複数社に応募できたのは秋田、和歌山、沖縄の3県。今回、新たに大阪府と奈良県が「見直す」と回答した・・・
社会面には、「就職先 生徒が選択 納得感高めミスマッチ防ぐ」が載っています。3社の中から一つを選び、無事就職が決まった学生の事例です。
・・・山口教諭は「今の子どもは『でも、だって』と何でも人のせいにしがち。自分の道を決めるのは自分の責任だと、就職活動を通じて理解してほしい」と話す。
高校生の就活では、早期離職が多いことが課題だ。文部科学省などによると、昨春就職した高校生は約15万8000人で、就職率は97・9%。その一方で2018年3月の卒業生の3年以内の離職率は36・9%に上る。要因の一つは「1人1社制」によるミスマッチと指摘されている。
名古屋市の男性(23)もそのうちの一人だ。三重県の県立高校を卒業後、プラスチック製品のメーカーに就職したが、わずか2年で辞めた。
「自分に合う会社を教えてください」。先生に相談し、選んでもらった3社のうち、資本金が一番多い企業に入社した。どんな製品を作る会社か詳しくは知らず、配属された工場ではすぐに単調な仕事に飽きた。
今は人材サービス会社で働く。人と接する仕事に向いていると思ったからだ。成果に応じた報酬制度にも魅力を感じている・・・
日本の従業員の、職場への愛着度や満足度の低さの原因の一つだと思います。
連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第108回「「国のかたち」の設定─平等と倫理」が、発行されました。
前回から、政府による社会(狭義)への介入を説明しています。公共秩序の形成、国民生活の向上の次に、「この国のかたちの設定」をとりあげます。
それは、倫理、慣習、国民の共通意識(社会意識)などへの関与です。これらを政府の役割として取り上げると、疑問を持つ人もいるでしょう。「内心には、国家は関与すべきではない」「慣習は、社会で自然とできるものだ」とです。
日本国憲法は、この国の基本を定めた法律です。そこでは、統治機構と人権について定めています。人権の規定は、基本的人権の尊重、幸福追求権、法の下の平等など、「社会の善悪」を規定しています。社会倫理の基本を定めているのです。
政府が行う「この国のかたち」の設定について、倫理、慣習、社会意識の順に検討します。今回は、平等、差別の禁止について考えます。憲法が法の下の平等を定めただけでは、平等は実現しません。その事例を取り上げます。