「国難災害と緊急消防援助隊 」

室田哲男著『国難災害と緊急消防援助隊 (緊急消防援助隊の災害対応力の強化に向けて) 』(2022年、近代消防社)を紹介します。

警察(都道府県)や消防(基本的に市町村)は自治体の業務であり、国が運営している自衛隊とは、国全体で見た場合に運用の形が違います。現場に近い方が、より密着した活動ができるのですが、大規模災害などに出動する場合は、自衛隊は大臣の命令でできますが、消防や警察は他団体への応援になります。阪神・淡路大震災の際にこの問題が認識され、より効率的な活動ができるように改革されてきました。

この本は、「大規模災害時に全国から被災現場に駆け付け救助活動を展開する緊急消防援助隊の仕組や実態、課題について、体系的に解説した唯一の書」です。
国全体で対応しなければならない、しかし実行は自治体が担う場合は、いろいろな場合があります。社会福祉、教育などです。平時では議論する時間があるのですが、緊急時は対応が急がれます。最近では、新型コロナ感染症対策で「緊急事態における国・地方関係の在り方」が議論になっています。緊急消防援助隊の指揮・調整は、その参考になります。