社員への介護研修

1月28日の日経新聞に「ハウス、「隠れ介護者」解消へ 全社員に研修、負担抱え込み防ぐ 40代以上の6割リスク」という記事が載っていました。
・・・ハウス食品グループ本社が2021年9月から、全社員に介護研修を実施している。40~50代社員の約6割が3年以内に家族の介護に直面する可能性がある。団塊世代が後期高齢者になる「2025年問題」が迫り、中核社員の多くが仕事と介護の両立に直面する。公的支援制度などの活用が不十分だと、個人で負担を抱え込む「隠れ介護」が経営リスクとなる・・・

研修では、家族の介護がどの程度差し迫っているのかを、親の年齢や家族構成などの情報から診断し、経済的・時間的な負担度などを可視化します。そのうえで仕事との両立や家族との関係、介護費用などについて学ぶそうです。

記事によると、介護離職は2010年代から正社員を中心に急増し年間9~10万人いるとのことです。働きながら介護する人は346万人(2017年就業構造基本調査)。40~50歳代が6割を占め、正社員に限ると7割です。生涯未婚率が高まり、共働き世代も増え、家庭内で介護に携われる人は減っています。
従業員30人以上の事業所の9割が介護休業制度を導入していますが、取得率は1割に満ちません。仕事をしながら介護をしている多くが40~50代で、職場で責任ある業務を担っているからです。

これまでは仕事と生活の調和は、育児と仕事の両立が課題になっていましたが、介護と仕事の両立が課題になってきました。
そして、子育ても重労働ですが、介護はより深刻です。ほとんどの人が、公的支援の申請方法や、介護のやり方を身につけていません。この記事にあるように、職員研修も必要になるのでしょう。