「付加価値をつける」の続きです。今回の話は、幹部候補や職員ではなく、管理職や経営者についてです。
前任者から、組織を引き継ぎます。そして、数年したら、次の人にその組織を引き渡します。その際に、どれだけ付加価値をつけたかで、その人の評価が定まります。
1 引き継いだ組織を「大過なく運営し」、次に引き継ぐ。これは、まずは及第点でしょうか。
2 組織の売り上げを伸ばす、株価を上げる、評価を上げて引き継ぐと、高い評価がもらえます。
3 組織を食いつぶす人もいます。売り上げが落ち、株価が下がり、評価も下げた人です。
ところで、1の大過なく引き継ぐは、3の評価を下げることになる場合があります。すなわち、その組織の売り上げや株価が横ばいでも、世間は発展しています。すると、現状維持は、相対的に沈下していることになります。
「善管注意義務」(「善良な管理者の注意義務」の略。業務を委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位などから考えて通常期待される注意義務のこと)を果たしたことになるのでしょうが、管理職や経営者はそれでは困るのです。
売り上げがない組織、行政はそれに当たるのですが、「世間の評価」が株価に相当するのでしょう。