世界で戦う選手を育てる

11月14日の日経新聞、ザ・スタイルに、松岡修造さんの「テニス選手育成 挑戦の旅」が載っていました。
松岡さん(1967年生まれ)が選手だった頃、日本男子は世界の100位に入るのが夢でした。彼がその壁を破り、1996年にウィンブルドンセンターコートで戦い、「こんなすばらしい場所で戦える日本男子を作り上げたい」と叫びます。
しかし、世界で戦うということは、テニスがうまくなればいいだけではありません。日本人が苦手な表現力、自立心、決断力を養わなければなりません。年間10か月を毎週違う国で過ごすために必要な心技体を養う必要があります。その方法を低年齢から教えることができれば、世界の舞台に導けると考え、10歳から18歳までの選手の強化プログラムを実施します。メンタル、技術、フィットネス、医療ケアの専門スタッフがつきます。

平成の30年が、日本にとって失われた30年と評価されています。産業経済面では、そうでしょう。しかし、テニスに限らず、サッカーや野球など、世界で活躍する日本選手が増えました。そこには、プロリーグにして鍛えること、世界に挑戦することなど、挑戦する人を育てる仕組みと支援する仕組みを作ったからです。一人の天才が出てくるだけでは、後が続きません。
他方で、産業や学問などでの停滞は、日本の中で満足し、世界で戦わなかったことによると、私は考えています。