11月9日の朝日新聞夕刊1面に「家庭内暴力や虐待、行き場失った少女たち」が載っていました。
・・・ 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されても、家庭内での暴力や虐待を受ける児童の相談は後を絶たない。10代少女らの支援のため一般社団法人「Colabo」が東京・歌舞伎町で開催するカフェには、行き場を失った少女らが身を寄せる。深夜の活動に同行した・・・
・・・家族の暴力から逃げてきたり、家出したものの生活費がなくなったり、集まる子の理由は様々だ。15歳の少女は児童相談所に家庭内の虐待を相談したが、対応してもらえず、家出した。知り合った男性宅やホテルを転々とし、生活費のために年齢を偽りバイトしているという。17歳の少女は生活費に困り、駆けつけた。「学費のための奨学金を親が彼氏に使い込んでいる」という。生活費を抑えるため、十数人でビジネスホテルの一室を借り宿泊している少女たちもいた。
「親のテレワーク」と「子どもの休校措置や短縮授業」が重なり、家庭内でのトラブルや暴力が増え、虐待につながっているという。「Colabo」代表の仁藤夢乃さん(31)は「親の経済状況が悪化し、しわ寄せは子どもたちに来ている」・・・
・・・高校を中退し、親からの虐待の影響で自殺未遂経験がある18歳少女のSNSには「コロナに感染できたので、ホテル療養になれて、家から離れられた」とあった・・・
・・・「既存の支援から、こぼれ落ちている子どもたちが増えている」と仁藤さんは懸念。「24時間対応する窓口を設けるなど、若年女性への公的支援の拡充が急務」と指摘する・・・
このような人たちをどのように見つけ、支援するのか。重要で難しい課題です。
他方で、次のような記事もありました。11月12日の朝日新聞「家がなくてもワクチン打てます ホームレス状態の人へ接種、自治体対応」
・・・路上やネットカフェなどで暮らすホームレス状態の人たちへの新型コロナウイルスのワクチン接種が東京都内の自治体で進んでいる。定まった住所がないため、住民票に基づいて発送されるワクチン接種券を受け取れないことなどが壁となり、接種が進んでおらず、厚生労働省が自治体に対応を求めていた・・・豊島区では6月から住民票や身分証のない人への接種券の発行を開始した。これまでも約100人に対して接種券を発行してきたが、接種についてはいずれも住民向けの会場を案内しており、今回のような集団接種は初めてだった。集団接種の日時や会場は、支援団体が炊き出しの際などにチラシを配布して周知した。
豊島区の場合、住民票や身分証がない人は、本人の申し出による名前と生年月日をもとに、接種券を発行する方式をとった。担当者は「希望しても接種にたどり着けていない人が多くいることが分かった」と言い、今後も接種券の発行を受け付ける。
東京都内には約860人(今年1月現在)の路上生活者がいるとされる。
台東区では、身分証がない場合の本人確認に一手間加えた。接種券の発行の際、名前と生年月日のほか、本籍地や両親の名前など本人しか知り得ない情報も聞き取った。接種当日にも同じ質問をすることで、その回答と照らし合わせて本人確認をしたという。こうした手法で接種券を発行し、10月上旬には接種を希望するホームレス状態の人ら85人に対して2回目の集団接種を終えた・・・