経済停滞の30年

各紙が、日本経済がこの30年間、成長していないことを取り上げています。

10月16日の日経新聞1面「データが問う衆院選の争点」「日本の年収、30年横ばい 新政権は分配へまず成長を
・・・OECDがまとめた年間賃金データを各国別に比べると、日本は30年間ほぼ横ばいだ。購買力平価ベース(20年米ドル換算)の実質系列で30年前と比べると、日本は4%増の3.9万ドル(440万円)どまりだったのに対し、米国は48%増の6.9万ドル、OECD平均が33%増の4.9万ドルと大きく伸びた・・・

10月20日の朝日新聞1面「日本経済の現在値」「30年増えぬ賃金、日本22位 上昇率は4.4% 米47%、英44%
・・・日本経済をどう立て直すのかは、衆院選の大きな争点だ。様々な指標を外国と比べると、低成長にあえぐ日本の姿が見えてくる。安倍政権が始めたアベノミクスも流れはほとんど変えられず、1990年代初めのバブル崩壊以来の「失われた30年」とも呼ばれる低迷が続いている。
国際通貨基金(IMF)の統計で、国の経済規模を示す名目国内総生産(GDP)をみると、日本は米国、中国に次ぐ世界3位と大きい。しかし、1990年の値と比べると、この30年間で米国は3・5倍、中国は37倍になったのに、日本は1・5倍にとどまる。世界4位のドイツも2・3倍で、日本の遅れが際立つ。国民1人当たりのGDPも、日本はコロナ禍前の19年で主要7カ国(G7)中6番目という低水準だ。
賃金も上がっていない。経済協力開発機構(OECD)によると、2020年の日本の平均賃金は、加盟35カ国中22位で3万8514ドル(1ドル=110円で424万円)。この30年で日本は4・4%増とほぼ横ばいだが、米国47・7%増、英国44・2%増などと差は大きい。賃金の額も、隣国の韓国に15年に抜かれた・・・

同じく13面の「置き去り、米と339万円差 424万円、日本の平均賃金
・・・まず、日本の現状を確認してみた。経済協力開発機構(OECD)の2020年の調査(物価水準を考慮した「購買力平価」ベース)によると、1ドル=110円とした場合の日本の平均賃金は424万円。35カ国中22位で、1位の米国(763万円)と339万円も差がある。1990年と比べると、日本が18万円しか増えていない間に、米国は247万円も増えていた。この間、韓国は1・9倍に急上昇。日本は15年に抜かれ、いまは38万円差だ・・・
・・・日本生産性本部によると、19年の1人あたりの労働生産性は37カ国中26位。70年以降では最も低い順位で、主要7カ国(G7)では93年以降、最下位が続く。自動車産業など、日本経済の稼ぎ頭だった製造業でさえ、直近の18年は16位。95年、00年は1位だったのに、他の国に次々に抜かれていった。
中小企業庁による21年版中小企業白書には衝撃的なグラフが載っていた。従業員1人あたりの労働生産性が03年度以降、ほぼ横ばいで上昇がみられないのだ。企業の数で99%以上、従業員で7割を占める中小企業が伸びないのは、日本の成長力にとっては痛い・・・
記事についているグラフを見ると、日本の負け方が鮮明です。

同じく10月20日の読売新聞経済面「過去30年 賃金上昇実感できず
・・・ただ、欧米各国に比べると、日本の賃上げは力強さに欠ける。経済協力開発機構(OECD)がまとめた平均賃金のデータによると、各国の物価水準を勘案して調整した「購買力平価」ベースでは、20年の日本は3・9万ドル(約440万円)。30年前に比べると、わずか4%増に過ぎない。
この間に米国の賃金は48%、英国も44%増えた。30年前に日本よりも低かった韓国には追い抜かれた。
企業の業績は好調で、利益の蓄積である内部留保は積み上がり、20年度末は484兆円と9年連続で過去最高だった・・・

日本の産業経済政策は、この30年間の失敗をどのように総括し、どのように転換していくのでしょうか。政府と経済界、そして企業の責任と役割が問われています。