10月8日の日経新聞「しがらみ排し医療再建 コロナとの共生へ耐久力を」から。
・・・医は仁術ではなく算術だった。日本に新型コロナウイルスが上陸してからの医療界の動きを振り返ると、残念ながらこんな言葉が思い浮かぶ。
多くの医療機関でコロナへの対応よりも経営が優先された。政府が病床確保、オンライン診療の導入といった対策を実施しようとするたびに、経営上の損得という算術が大きな壁になった。
ワクチン接種など医療機関の算術を満たす報酬を政府が示した場合、対策は大きく進んだ。そうでない政策は空回りした。病床確保を前提に補助金をもらいながら、実際にはコロナ患者を受け入れずに収益を上げるという、仁術を全く感じられない病院も表れた・・・
・・・既得権の第一は医療機関の経営の自由だ。民間経営を理由に行政の指揮権が及ばない病院が8割もある・・・
欧米各国に比べ桁が少ない感染者数、欧米並みの病床と医者の数。なのに日本では、病床が足らない医療危機が叫ばれました。そして、指摘されながら、改善されたとは見えません。政府と医師会は、どのように説明するのでしょうか。