10月2日の日経新聞に「パナソニック、長期視点の経営に転換 利益率目標示さず」が載っていました。
・・・同日記者会見した楠見雄規社長は「(利益などの)結果数値で管理しない」方針を示した。利益や時価総額が競合に比べ見劣るなか、新たに事業ごとに競争力向上につながる指標を設定し、長期的な視点で復活につなげる。
楠見氏は会見で「事業戦略の推進のアプローチを変える」と、津賀一宏前社長の経営路線を転換する姿勢を鮮明にした。
パナソニックは2012~21年まで社長を務めた津賀氏の下、売上高営業利益率5%を経営目標に据えてきた。楠見氏はそれが「事業部には足切りラインのように受け止められた」と振り返る。
事業部では目標達成に向けて無理な受注や投資の先送りなどを繰り返し帳尻合わせの数字を作るようになった。結果として大胆な投資などを打ち出した海外勢に比べて競争力を失い、「過去30年間、パナソニックは成長していない」停滞につながっているとの分析だ。
そこで売上高や営業利益など結果として表れる財務指標だけで管理するのをやめ、事業ごとに競争力の向上につながる指標まで落とし込んで管理するように変える・・・
詳しくは、原文を読んでいただくとして。
難しいですね。組織の長は、内外に組織の目標を示す必要があります。部下はその実現を目指して仕事をします。ところが、下部組織に数値目標を割り当てると、記事にあるように、帳尻あわせになることがあります。これでは、本来の目標が忘れられ、手段が目標になってしまいます。他方で、数値でない目標は、物差しにならず、評価もできません。
では、どのように下部組織に目標を割り当て、事後評価をするか。企業は売り上げや利益が数字で出ます。その点で、売り上げがない役所は難しいです。もっとも、企業でも、開発部門や本社管理部門は同じような問題を抱えています。