在宅勤務の負の影響2

在宅勤務の負の影響」、今回は組織に与える負の影響です。
「在宅勤務でも以前と同様に成果が上がっている、経費削減になっている」と思っていませんか。それは、短期的に正しくても、長期的には間違っています。在宅勤務では、職員育成にも問題が出て、組織としての力が低下します。

前回述べたように、新入社員や異動してきた社員の不安があります。そしてその人たちは、職場での十分な訓練を受けることができません。与えられた、そして自宅でできる仕事をしているだけでは、職場の技能は向上しません。非正規社員が仕事の技能を身につけることができなかったように、彼らも職場での仕事の訓練を受けていないのです。

在宅勤務で仕事ができ、職場の能力が向上するなら、拙著「明るい公務員講座」3部作を含め、本屋に並んでいる職業人向けの啓発や技能向上の書籍の多くは不要になります。そうでしょうか。

職員の評価も、どうするのでしょう。オンラインでの成果物を評価するだけでは、社員の能力を評価できません。学校の試験のように、紙で評価できるものではありません。
すると、以前から知っている気心の知れた部下を高く評価する傾向になるでしょう。新人には、可も不可もつけることが難しく、5段階の3ばかりをつける恐れがあります。

一部の在宅勤務に向いている仕事を除き、多くの職場で、在宅勤務はコロナ対策の緊急措置と考えるべきです