在宅勤務の負の影響

新型コロナウイルス感染症対策のために、在宅勤務が進んでいます。「在宅でも仕事はできる」という意見もあります。それに向いている仕事もあるでしょう。しかし、在宅勤務は、社員と組織の双方に負の影響を及ぼしています。
まず、社員についてです。

社員は、仕事をするためだけに職場に来ているのでしょうか。そうではないでしょう。
同僚や上司、部下との会話が重要であり、楽しみです。仕事に関することでも、画面を通しては聞きにくい、聞くほどのことではないことも多いです。また、仕事以外のことでも、たわいないことから相談事まで、ちょっとしたことを話したいのです。
会社で社員を個室に一人ずつ入れて、「これだけのことをしなさい。わからないことがあったら聞いてください」と仕事の指示をしたら、いじめになるでしょう。在宅勤務は、それに近いのです。

多くの職場で、仕事のやり方は、すべてが記述できるものではありません。引継書と手順書でできる仕事ばかりではありません。
仕事に慣れた経験者なら、仕事で悩んでも切り抜ける方法を身につけているでしょう。しかし、新入社員や人事異動で来たばかりの社員は、誰に相談してよいのか、何を相談してよいのかわからないのです。精神的に不安になっている社員も、多いのではないでしょうか。

この問題は、児童や学生が学校に登校せず、自宅学習する場合にも言えます。子どもも大学生も、教室での勉強以上に、友達とのおしゃべりや遊びが楽しく、それが成長につながるのです。ひとりぽっちでは、さみしくなります。この項続く