連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第90回「社会の課題の変化―顔の見える関係を基に手を差し伸べる」が、発行されました。前回に引き続き、孤立問題に対する安心提供手法の変化を説明しています。
人生につまずいた際にどうするかという知識と知恵を教えること、孤立に陥る前の「手すり」が必要です。そして陥った際に、どのような支援をするか。
例えば、ニートやホームレスの若者にも、次のような違いがあります。
・自ら就職先を見つけられない若者で、「きめ細かな情報提供」が必要な場合
・人間関係が苦手な若者で、「社会力をつけること」が必要な場合
・生きていくことに喜びを見いだせない若者で、「生きていく力を身に付けること」が必要な場合
すると、それぞれの場合で支援内容が異なります。
また社会生活での自立には、本人の意欲が必要です。周囲からの支援だけでは達成できません。ここにも、難しさがあります。
そして、新たに発見された社会的排除は、本人側より、周囲の側に原因があります。社会的包摂には、社会の側の意識の転換が必要です。