ゲーム依存で壊れる生活、家族

8月5日から読売新聞くらし面で「依存社会 ゲーム」の連載を始めました。子どもがインターネットゲームにのめり込み、親が悩むだけでなく、暴力をふるわれる実態が報告されています。

・・・「なんで回線切んねん!」
中部地方の高校に通う聡さん=仮名=が、血相を変えて2階から下りて来た。2019年9月。1日15時間もゲーム漬けの日が半年も続いていた。たまりかねた母の美雪さん(48)=仮名=がネットの回線契約を解除したのだ。
聡さんは台所から包丁を取り出した。「刺される」。しかし、聡さんは刃先を自分の首元に突きつけ、声を震わせた。「ゲームがないと、俺、死ぬ」。何かにとりつかれたような苦しそうな息子の表情に、美雪さんは胸をつかれた。「ゲームをやめないのは、ただ楽しいからではないのでは」・・・
・・・ 筑波大教授(臨床心理学)の原田隆之さんによると、依存症は脳の病気だ。依存物の摂取や行動の反復により脳の機能が変化しコントロールが利かなくなった状態をいう。「意志や心がけで対処できるほど、依存症は生やさしいものではない」と指摘する。
旭山病院(札幌市)精神科医長の中山秀紀さんは「依存症は、快楽と不快が同時進行する」と話す。快楽を求めてゲームをするが、様々な要因から依存症になると今度はゲームをしないと不快になる。不快を解消するためにまたゲームをする。「人は快楽の消失は諦められても、不快を我慢し続けることは難しい」・・・

インターネットなし、スマートフォンなしの生活は考えられません。自己管理のできない、自己管理を勉強中の子どもには、スマホは便利であるとともに、危険な道具です。
どのように与え、教育するか。多くの親が悩んでいることでしょう。学校の先生も、悩んでいることと思います。まだ、これだという教育方針はないのでしょう。技術の進歩は、さまざまな悩みを生みます。