5月14日の朝日新聞「ひと欄」に、リンデル佐藤良子さんの「スウェーデンの民主主義教育を日本に紹介する」が載っていました。
・・・スウェーデンの若者・市民社会庁が出した主権者教育の指南書「政治について話そう!」を仲間と協力して訳し、クラウドファンディングで世に出した。「この国では就学前の保育園から民主主義を教える。日々、水を飲むように民主主義に接するんです」・・・
インターネットで探したら、本屋には売っていません。クラウドファンディングで出版され、無料で読むこともできます。
「スウェーデン若者市民・社会庁(MUCF)からは、翻訳の許可はいただいていますが、出版にあたっては商業目的にならないように、とお達しをいただいているので、費用はすべて実費と手数料に充てます」とのことです。
日本では、欧米に追いつく際に、「できあがったもの」として民主主義を輸入したようです。世間には、公共の事柄に関して、さまざまな意見を持つ人がいること。その際に、どのようにして、意見の違う人たちの間で結論を出すか。その過程を教えないと、民主主義は実体化しません。この本には、「学校は価値中立ではない」との言葉が出てきます。
学校で、知識を教え込むことに重点を置き、討議することや自分で考えることは少ないです。知識を教え込むには効率的ですが、自分で考えることは不得手になります。
政治教育についても同様で、政治制度は教えても、政治過程の実践的教育をしないことも、課題の一つでしょう。