2月18日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」指揮者の藤岡幸夫さん「ヘブラーとの共演」でした。
有名なピアニスト、イングリット・へブラーさんとの共演したときのことです。
会場に着くと、ピアノはとても小さく傷だらけ。調律されていますが、同じタッチで弾いても鍵盤によって音量が変わるという代物です。へブラーさんが怒って帰るのではと、みんなが心配しました。
へブラーさんも、「これはピアノじゃないわ」とあきれ顔。開場直前まで、誰も寄せ付けず一人でピアノを弾き続けたそうです。
そして本番。みんなが仰天しました。同じピアノと思えない美しい音色。
藤岡さんが「すごい、奇跡です!」と言うと、笑みをたたえて一言「もちろん、私はプロフェッショナルですから」
藤岡さんは「失敗を他人のモノのせいにするのは、本当のプロではない」と締めくくっておられます。