連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第67回「日本は大転換期―社会の意識と個人の意識」が、発行されました。
今回から、社会の意識と個人の意識について議論します。これまで取り上げた、経済の変化、身の回りの変化、労働と教育の変化、家族の変化、付き合いの変化などに比べ、さらに目に見えにくいものです。
しかし、私たちの暮らしの変化や社会の変化は、この意識の変化と同時に進みます。いえ、意識の変化が社会を変えていることも多いのです。そして、社会の通念と道徳に従って、私たちは行動します。
思想や哲学が学問として議論され、保守対革新や資本主義対共産主義といった対立軸が示されます。これらは高尚な議論ですが、他方で、庶民が持つ社会の通念については、あまり議論されません。それはまた、政府が積極的に関与するものではないという考え方でした。
かつては、伝統的なムラの教えや宗教が、社会の通念と道徳をつくっていました。それらが希薄になり、また時代にそぐわなくなった現在、社会の通念を「放置」しておいて良いのでしょうか。
今年の連載は、これが最後です。次は、1月7日号に載ります。