12月2日の読売新聞「デジタル教科書を問う4 健康への影響 未知数」から。
・・・日本では、19年度にデジタル教科書が一部で導入された。健康との関連の検証は緒に就いたばかりだ。
文部科学省が19年度、デジタル教科書を使う小中高校4校の児童生徒271人に調査したところ、小学生の32%、中高生の45%が目の疲れを訴えた。小学生の20%、中高生の9%は「体調が悪くなった」と答えた・・・
・・・スマートフォンの普及などを背景に、子供の視力は悪化し続けている。19年度は裸眼視力1未満の割合が小学生35%、中学生57%といずれも過去最悪だった。
デジタル教科書で視力や生活習慣に悪影響が及ばないか、不安を抱く医師や保護者は少なくない。
就寝前に端末を見ると、画面から放たれるブルーライトで体内時計が狂い、寝不足になるともされる。眼科医の不二門尚ふじかどたかし・大阪大特任教授は「デジタル化の影響は、視力以外にも幅広く考慮すべきだ」と指摘する。
ネット依存も心配だ。国立病院機構・久里浜医療センターの樋口進院長は「ネットに接続する端末を子供に渡せば、閲覧を制限しても抜け道を見つけて長時間、遊びに使うこともあるだろう」と危惧する・・・