12月3日の日経新聞夕刊、私のリーダー論は、野島広司・ノジマ社長の「部下の声にうれしい顔を」でした。
――理想のリーダー像はありますか。
「やはり部下から尊敬されていない人はリーダーとしては不適格だと思います。尊敬されるというと言い過ぎかもしれませんが、上司の悪い点を部下が言いやすい環境をつくらなくてはなりません。部下の意見などを抑え込む人はリーダーとしてよろしくないと思います」
「親子関係もそうです。親に何でも相談できる性格の子と、できない子がいますよね。でも子供が相談できないのは半分以上、親が悪いのだと私は思います。ですから『話しかけられて嫌なときほどうれしそうな顔をしろ』とリーダー候補と思う人には言っています。そうすると部下の姿が見えるようになります」
――でも、忙しいときに話しかけられるといらつきませんか。
「イラッとします。会社でも私が出かけようとするときに限って話しかけてきて了承を求める社員もいます。イラッとして『こんな忙しいときにまた持ってきて』と言葉に出しちゃいます。本人に面と向かって言うのが私のスタイルなんです」
「人を叱るときはオープンな場で叱ります。一対一で叱れ、と言う人もいますが、他の人が聞いている方がいいと思います。言い過ぎたと思ったときには謝ります。この年になって、その加減がようやく少し分かってきました」