秋の訪れ

猛暑が続いたこの夏。まだまだ暑いですが、朝晩はさすがに涼しくなってきました。
福島からの帰りの新幹線からは、稲刈りが始まった様子が見えます。大事にしたい風景です。15日には、天皇陛下も稲刈りをされたそうです。

我が家の朝顔は、まだ元気です。種が熟している一方で、花を咲かせています。先日、孫と種取りをしました。
間引いた際に捨てるのが惜しく、椿の木の根元に植えた朝顔は、蔓を伸ばし、木のてっぺんで花を咲かせています。いささか、奇妙な風景です。
お隣の庭からは、秋の虫たちがにぎやかな音を奏でています。

晩酌を、ビールから日本酒に代えました。これが、一番の季節変わりでしょうか。

安倍総理からのねぎらい

9月16日の毎日新聞に「首相 惜別の日々」という記事が載っていました。

・・・「よくやってくれた」。安倍晋三首相は、7日に首相官邸で面会した岡本全勝内閣官房参与にねぎらいの言葉をかけた。
総務省出身で復興事務次官を務めた岡本氏は「先般の会見で、レガシー(政治的遺産)を聞かれて、最初に東北の復興の話をしてくれた。復興は道半ばだ。首相には立場が変わっても支援をとお願いした」と語った・・・

なお、安倍総理の東北被災地視察は、合計43回でした。

参考「安倍総理在任中の業績、震災復興
内閣総辞職に当たっての内閣総理大臣談話」(9月16日)
・・・本日、安倍内閣は総辞職いたします。
この八年近く、内政、外交の諸課題に全力でチャレンジしてまいりました。残された課題も残念ながら多々ありますが、同時に、様々な課題に挑戦する中で、達成できたこと、実現できたこともあります。
福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。その思いで、政権発足以来、東日本大震災からの復興に全力で取り組んできました・・・

働き方改革で増える管理職の残業

9月13日の朝日新聞に「飲食業界、悩み多き中間管理職」が載っていました。それによると。
日本企業の特徴として、プレイングマネジャーが多いのだそうです。産業能率大学総合研究所の調査では、部長の95%ほどが、プレーヤーとしての役割を担っています。管理するだけでなく、現場で汗をかいています。

しかし、部下の仕事の肩代わりをすることで、長時間労働になりがちです。
企業活力研究所の調査では、週60時間以上働き過労死ライン(月平均80時間超の時間外勤務に相当)に当たるミドルマネジャーが、4人に1人いました。残業時間の規制が強まったことで、部下に仕事を回せず、労働時間が延びた管理職もいます。
パーソル総合研究所の調査では、働き方改革が進んでいるとした企業では、管理職の62%が業務量が増えたと回答。進んでいないという企業の48%を上回っています。

そして、管理職は、残業代がもらえません。ただし、名ばかり管理職は、裁判で残業代が認められています。

後期近代か近代後期か

連載「公共を創る」を執筆していて、校閲さんから指摘を受けました。私の原稿に「近代後期」と「後期近代」が混在しているというのです。連載第54回(9月3日号)。

指摘を受けるまで、気づきませんでした。気にすることなく、どちらも使っていたのです。指摘されて、悩みました。その分野の専門家ではないので、どちらが正しいのか知りません。日本語としては、どちらでも良さそうですが。
宇野重規先生の『〈私〉時代のデモクラシー』 (岩波新書) を見ると、「後期近代」を使っておられます。そこで、後期近代で統一することにしました。

江戸時代後期、江戸後期とは言いますが、後期江戸時代、後期江戸とはあまり聞きません。初期明治、後期昭和はないわけではありませんが、明治初期、昭和後期といいますよね。
英語は、前期近代は Early modern period 後期近代は  Late modern でしょう。英語の場合は、形容詞が前に来ますから。日本語は、後ろに来ますよね。戦後 postwarも同じです。ラテン語やフランス語は、どうなのかな。

起業を妨げた認可行政

日経新聞私の履歴書、9月は、寺田千代乃・アートコーポレーション名誉会長です。女性経営者の草分けです。苦労の数々が書かれています。9月10日の「事業免許」から。

・・・もっとも、引っ越し専業という業態が成り立つと考えていた人はほとんどいなかったと思う。1年間で見れば3月末、さらに月末、週末に依頼が集中し、繁閑の差が激しい、などの理由からだ。寺田運輸とは別の会社で運送免許を取る相談を陸運局に持ちかけた時のこと。「お宅は寺田運輸で引っ越しをやってはるんだから、それでいいじゃないですか」と言われた。

当時私は29歳。小柄で童顔なので経営者の娘が思いつきで考えた事業と思われたのだろうか。丁寧な口調で諭すように経営の難しさを指摘され、軽くあしらわれた。その後も「十分に成り立つ裏付け、一定の顧客が引っ越しを依頼することを証明する書類を出して下さい」と求められた。

事業を始める前に実績提示が必要とするような指導には疑問を感じた。どこにいるのか分からない顧客の依頼の確約証明など示せるはずがない。仕方がないので寺田運輸の仕事で取引のあった企業3社にお願いして、社員が引っ越す場合は運送を依頼するという契約書を作って提出した。地場企業で社員の地域間移動、つまり引っ越しがほぼない会社ばかりだったが、ほどなく申請が受理された・・・