肝冷斎、惜春

肝冷斎によると、「この時期は毎年、花冷えの季節です。二月の立春節から五月の立夏節の間が春ですから、もう春も半ばを過ぎてしまった」のだそうです。
4月に入って目次のカレンダーが代わりました。とても飛べそうにない鳥もいますが。

1日は、唐・杜牧の「惜春」です。いつもは、難解な仏教や道教の悟りの話が多いのですが、これなら私にも理解できます。
まさに、時宜を得た詩ですね。残念ながら、今年は花の下で酔うことはできません。

春半年已除 其余強為有
即此酔残花 便同嘗臘酒
悵望送春盃、慇懃掃花箒
誰為駐東流、年年長在手

春の半ばとなれば年はすでに除す。その余は強いて有りと為すのみ。
即ちここに残花に酔い、すなわち同じく臘酒を嘗めん。
悵望(ちょうぼう)たり春を送るの盃、慇懃たり花を掃うの箒(ははき)。
誰かために東流を駐(とど)めて、年年、長く手に在らしめんや。

春も半ばまでくれば、もう今年一年(のいいとき)は終わったようなものだ。
これからあとは、むりやりある、というぐらいの季節でしかない。
そこで、ここに衰え行く花に酔い、そして、みんなで暮れ仕込みの酒を飲もう。
春を送る酒杯は、うらみかなしみとともに、花を掃う箒は、とても親愛な者のようだ。
誰か、わたしのために東に流れる水をとどめて、毎年毎年、長くこの手に在らしめてはくれないものか。

4月1日

今日は4月1日。新年度の始まりです。
ところが、コロナウィルスのため、入社式をはじめとした儀式なども、縮小や中止になっています。残念ですが。

東北新幹線の窓からは、満開の桜がいくつも見えました。田んぼでは田起こしが始まり、野山も春らしくなっています。四季は、いつものように巡ってきます。
しかし、寂しく見えます。見ている私の方が、そのような気分だからでしょう。桜は、変わりないのです。

引きこもり、8050問題

3月30日の朝日新聞が1面で「孤立リスク、推計57万世帯 無職独身40~50代と生活費出す親の同居」を伝えていました。
・・・無職で独身の40~50代の子が高齢の親と同居し、生活費を親に頼っているとみられる家庭は2013年時点で推計約57万世帯あり、1995年からの18年で約3倍に増えていたことがわかった・・・
数値や具体事例が詳しく書かれています。原文をお読みください。

「8050問題」という言葉があります。親が80代、子が50代で、独身の子が親と同居し、親に養ってもらっている状態です。親の収入が少なく貧困に落ちっている場合や親が亡くなると共倒れになるのです。
内閣府は昨年、40~64歳で引きこもり状態の人が、61万人いるとの推計を公表しています。