仏教の変遷2

「仏教の変遷」の続きです。

なぜ、民衆はその宗教を信じたのか。その分析がないと、各宗教の社会における意義づけにはなりません。近代になって宗教が衰える以前においてもです、例えば、インドで仏教がはやり、そして廃れたこと。日本でも各宗派がなぜ起こり、また衰退したのか。教義を見ているだけでは、わかりません。よい書物があれば、お教えください。
失礼な言い方ですが、民衆に売れるように、商品である教義を変えていった(少しずつ変えた新製品を出した)と理解するのが、わかりやすいようです。

私たちの経験でも、教義まで知っている人は少なく、葬式と法事の際に行われる儀式と読経と説教くらいが仏教との接点です。昔は、おばあさんが朝夕仏壇に手を合わせていましたが。他には、古寺を訪れ古仏を鑑賞するとか。庶民側の宗教意識と、本に書かれている内容とには、大きな隔たりがあります。

教団についても、組織論としての分析を知りたいです。教団として持続するためには、職員(聖職者)の勧誘と生計維持、組織としての経営(お布施などの収入、支出)、そのための顧客の勧誘(信者の獲得)などが必要です。
信仰だけでは、僧侶や牧師さんも生きていけず、食べていく必要があります。禅宗や修道院は自活しますが、ほとんどの宗教は信者からの寄付で成り立っています。その経済的、経営的分析も知りたいです。

宗教学と言われる学問も、私の問には答えてくれないようです。例えば、岩波書店「いま宗教に向きあうシリーズ」も、さまざまな角度から現在の宗教を論じているのですが、私の知りたいことは書かれていません。関係者からは、不信心者とお叱りを受けそうですが。