4月7日の日経新聞「働き方innovation 正社員って何だろう(1)」は「あえて退社 タニタの選択 社員を個人事業主に」でした。
・・・正社員制度にほころびが見えてきた。高度経済成長を支えた終身雇用や年功序列などの仕組みが今は逆に日本企業の競争力をそいでいる。どうすれば社員のやる気を引き出せるか。タニタは正社員にあえて退社してもらい、業務委託契約を結び直す大胆な施策を打ち出した。会社と働く側の新たな関係性を探る挑戦だ・・・
タニタの試みは、原文を読んでいただくとして。
・・・「ぬるま湯体質を変えられないか」。谷田千里社長は就任以来、社内活性化策を考えてきた。直前まで米国法人に勤務。「日本の正社員は主体的に働く意欲が希薄に見えた」。人口減少で国内市場は縮小していく。新規事業を展開したくても人材が足りなかった。
どうすればやる気を刺激できるか。考え抜いた結論が、正社員を辞めてもらうという逆転の発想だ。雇う雇われるという関係では社員に「やらされ感」が付きまとう。終身雇用や年功序列と切り離し、120%の努力が120%の収入に直結する仕組みにすれば、主体的に働くイノベーティブな人材が育つと考えた。
新制度導入は17年。現在24人の元正社員が個人事業主として働いている。働く側の利点は就業規則に縛られないこと。いつどこで何時間、働くかは自由だ・・・
・・・米国の経営学者ジェームス・アベグレン氏は高度経済成長期の日本を分析し、終身雇用、年功序列、企業内組合が成功の源泉だと評価した。時代は変わり、今は正社員の要諦である終身雇用や年功序列が企業の競争力をそいでいる。
安定志向の社員が増えチャレンジ精神が失われた。学習院大学の守島基博教授は「人事ローテーションで会社の事情に詳しい人材は育つが、イノベーションを起こすスペシャリストが育たない」と指摘する・・・
参考「働きがい、仕事への意欲、3」
記事には、「データで読む正社員の割合低下」も、ついています。2002年に7:3だった正社員と非正規社員は、6:4になりました。