政治家とは、正直でも嘘つきでもなく・・・

3月1日の朝日新聞「日曜に想う」、福島申二・編集委員の「お友達より、持つべきは敵」から。

・・・評論家の故加藤周一さんが20年前、本紙連載の「夕陽妄語(せきようもうご)」でユーモアまじりにこう書いていた。〈庭の桜の木を切った少年が、親に叱られるのを怖れて、切ったのは自分でないと言えば、嘘である。切ったのは自分だと言えば、それがほんとうで、少年は正直である〉
そして、〈そのときもし少年が「切ったという記憶はない」とか、「そういう質問に答える義務はない」とか、「誰が切ったかは後世の歴史家が決定する問題である」などと言えば、それはごまかしで、少年には将来政治家になる資質が備わっているということになろう〉・・・