12月23日に、経産省の委員会が、第一原発で発生し続けている、トリチウム水の処理について、処分方法を2つに絞って提案しました。
事故を起こした第一原発では、地下水が原子炉建屋内に入って、放射能に汚染されます。これが汚染水です。それを機械で処理して、放射性物質を取り除きます。これには成功しているのですが、トリチウムだけが取り除くことができません。
ただし、トリチウム事態は放射能が弱く、環境に大きな影響は与えません。
発生し続けているトリチウムを含んだ処理水は、敷地内のタンクにためています。そのために、タンクを建て増していますが、これも限界が近づきつつあります。
健全な原発でも発生するので、それは海洋に流しています。「わかりやすい解説」
この処理水も、科学的な知見では、健全な原発が流している基準、あるいはそれを下回る基準で海に流せば、問題はありません。
しかし、現在議論になっているのは、科学的安全ではなく、社会的安心です。海に流すことで、漁業に風評被害が起きるのではないかというのが、一番の論点です。
繰り返しますが、科学的に安全なのと、社会的に安心なのとは違います。福島産の農産物にも、ごく一部ですが、まだ風評が残っています。丁寧に説明することが必要です。
12月27日の朝日新聞社説「福島の処理水 地元との対話を重ねよ」