10月12日の日経新聞読書欄、岡崎哲二・東大教授のアダム・トゥーズ著『ナチス 破壊の経済』(みすず書房)についての書評「独戦時体制の全体像を詳述」から
・・・第2に、開戦の直接の引き金となったドイツによるポーランド侵攻は、周到に準備された「電撃戦」ではなく、ドイツ経済の切迫した状況と国際情勢の圧力の下での、やむを得ない決断だったことが強調されている。39年、国際収支の制約によってドイツの再軍備が限界に直面する一方、潜在的な敵国である英国、フランス、米国、ソ連の軍備拡張が進展し、ドイツが不利になっていく国際的な軍備バランスの中で、ヒトラーは早期開戦の決断を迫られた・・・
かつてこのホームページで、「強力な独裁者であったナポレオンもヒットラーも、信念であのような国家をつくり、対外戦争を続けたというよりは、その場その場で国民の支持を取り付け、政権を維持することを優先したとみえます。そのために、戦争を続けなければならなかったのです」と書いたことがあります。「社会はブラウン運動4」