企業の採用面接に見る「日本型雇用」その2

企業の採用面接に見る「日本型雇用」」の続きです。

・・・まず、面接で学生に何を聞いているのか。「学習(研究)」「サークル・体育会」「アルバイト」「旅行や読書などの趣味」「その他」の選択肢から、それぞれにかけている時間の合計が10になるよう配分してもらった。顕著な差がみられたのが「学習(研究)」である。
事務系総合職の面接経験者のうち、日系非グローバル企業勤務者は10のうちの3.47を、日系グローバル企業は3.53、外資系企業は4.65を「学習(研究)」に充てている。
技術系総合職の場合、日本企業は非グローバル4.15、グローバル4.38と割合はやや高まるが、外資系5.08には及ばない。面接時間の約半分を学習の質問に割く外資系企業と、サークル活動、アルバイト、趣味などの学生生活を総合的に把握する日本企業という明瞭な差異がある。

これには、多様な仕事をローテーションする日本企業、特定の知識・スキルを求めるジョブで構成されている外資系という構造の違いがあろう。
自社に大学での専門との関連が明瞭な事務系総合職のポストが「ある」企業は、日系非グローバル26.0%、日系グローバル44.0%、外資系56.5%だった。技術系総合職ではやや増え、日系非グローバル43.9%、日系グローバル65.9%、外資系78.0%である・・・

日本の企業文化とともに、レジャーランドと化した大学についても、考えさせられます。採用面接の際に、会社は「大学でどのような学問をしたか」ではなく、「学生時代に一番力を入れたことは何ですか」と問うのだそうです。
先日、ある大企業の方に教えてもらいました。新入社員に聞いた結果です。「学生時代にもっとも力を入れていたことは何ですか?」との問に。部活動やサークル活動が約5割、アルバイトが約3割、学業は1割です。日本の大学がどのような場所かが、よくわかります。恥ずかしいことですが。
学問に励まない学生、卒業生という「製品」に品質保証をしない大学、大学に学問を求めない企業。三者のなれ合い構造です。そしてそれを当然と思っている国民も、同罪です。