「平成時代から引き継ぐもの2」の続きです。
前回、引き継ぐ財産と教訓を、説明しました。もう一つの要素を、挙げておきましょう。「変化」です。財産も、固定したものでなく、変化の途中にあります。
例えば、人口とその構成です。2010年を頂点に、総人口は減りつつあります。そして、その内容は、高齢化が進んでいます。この傾向が変わらないと、ますますこの状況が進みます。
また、現在の経済成長率を前提とするなら、中国との経済規模はさらに広がります。先進諸国の中での、一人当たりGDPも低下します。
皆さんは、この30年間の変化として、何を思い浮かべますか。日常生活では、携帯電話とスマートフォンでしょうか。パソコンとインターネット、プリペイドカードもでしょう。
平成時代の変化には、意図したものと、そうでないものがあります。社会の変化は、なかなか政府や有識者の主張通りには、いかないものですが。
意図して変わったものを、いくつか挙げましょう。
クールビズ。かつては、真夏もネクタイを締めていました。
禁煙。これは、一気に進みましたね。食堂でも職場でも、灰皿がありました。駅や新幹線でも、吸っている人がたくさんいました。
男女共同参画社会。女性の社会進出は大きく進みました。まだ、不十分な面もありますが。
介護保険も、大きく社会を変えました。
働き方改革。これは現在進行形です。
30年前に、昭和から引き継いだ社会が、これだけ変化したのです。また、国民が変えたのです。
この変化のうち、良いものを引き継ぎ、良くないものの変化を止めなければなりません。「変える力」も、日本国民の財産です。この項続く。