東京財団政策研究所、梅川 健・首都大学東京法学部教授の「緊急事態におけるアメリカ大統領権限:トランプ大統領による壁建設はなぜ可能なのか」が、勉強になりました。
・・・2019年2月15日、ドナルド・トランプ大統領は国家緊急事態を宣言した 。これで、現在のアメリカで有効な緊急事態宣言の数は32個になった。複数の緊急事態宣言が併存するという状況は、一見して奇妙である。
国家が作動するモードには、平時と戦時だけでなく、そのどちらでもないが国益が侵害され一刻を争う緊急事態がある。緊急事態宣言がそのモードを切り替えるスイッチであるとすれば、スイッチを入れるのは一度で十分なはずだ。
なぜ、アメリカでは複数の緊急事態宣言が併存するのか。大統領は緊急事態に何ができるのか。緊急事態における大統領の決定はどのように抑制されうるのか・・・
平時と戦時、そしてその間にある緊急事態。それにどのように対処するか。
大統領と議会という二元代表制。
日本とは異なる条件の下で、試行錯誤しながら作り上げてきた仕組みがわかります。