3月14日の日経新聞経済教室、山脇啓造・明治大学教授の「外国人材活用の条件 多文化共生政策の推進を」から。
・・・外国人受け入れに関する政策は、どのような外国人の入国をどの程度の規模で認めるかに関わる「出入国管理政策」と、入国した外国人を支援し社会の構成員として受け入れる「多文化共生政策」に分かれる。後者は海外では「統合政策」とも呼ばれる。出入国管理政策と多文化共生政策は外国人受け入れの両輪だ。
18年の国会審議では、新たに受け入れる外国人労働者を「移民」と呼ぶかどうかが論争となった。その呼び方にかかわらず、新たな外国人労働者受け入れが成功する鍵は多文化共生政策にある。滞在が長期化するほど多文化共生政策のニーズは増し、短期の滞在だとしても就労・生活環境が良ければ外国人の満足度が上がり、社会との摩擦やあつれきが起きにくいからだ・・・
・・・出入国管理政策は国(日本では法務省)の所管だが、多文化共生政策は国と地方自治体が連携して取り組むべき分野だ。しかし日本では長く自治体の取り組みが先行し、国の取り組みは遅れてきた。
自治体の外国人住民施策が進んだのは70年代以降だ。当時、在日コリアンが多く居住する自治体で外国人を住民として受け入れる施策が進んだ。一方、80年代に外国人労働者が増え、90年代に東海地方などで南米系日系人の定住化が進んだ。外国語での情報提供や相談を受け付ける自治体が増えたが、外国人が急増した公営住宅ではゴミ出し、騒音、路上駐車などに関わる住民間のトラブルが起きた・・・
外国人の受け入れは、これからの自治体にとって、大きな仕事になります。既になっているところも多いです。原文をお読みください。