1月20日の読売新聞サイエンス欄に、増満浩志・編集委員の「被曝線量 数字に惑わずに」が1面を使って載っていました。
・・・放射線防護の枠組みは分かりにくい。特に原発事故後の対応は、平常時と大きく変わるだけに理解されづらく、「安全基準を緩めた」と批判されることもある。
リスクは「あるかないか」でなく、「どのくらい高いか低いか」が重要で、その判断には数字の意味を正しく理解することが欠かせない。科学的な根拠を飛び越えて「放射線量が年20ミリ・シーベルトでは危険」「いや心配ない」などと議論するのは不毛だ・・・
そして、具体的な事例が書かれています。
例えば、食品の基準値の100倍の肉を食べたらどのくらい被爆するか。全く心配ありません。なぜなら、この基準は食品の半分が基準値すれすれという想定で作られたからです。
日本の食糧自給率、そして原発事故被災地産の食品の市場占有率を考えると、そんなことはあり得ないでしょう。これは、チェルノブイリ事故の際に、被災地住民が「地産地消」で暮らしていたことを例にして作ったのではないでしょうか。そして、日本では、この基準値を上回るものは、出荷していません。
飲酒やたばこの発がんリスクとも比較してあります。
もちろん、安心については個人差があります。なるべく安全な方を選ぶのは当然ですが、その程度を誤ると、暮らしが不自由になり、余計なリスクを増やします。
わかりやすい解説です。ぜひお読みください。インターネットで読めると良いのですが。