年別アーカイブ:2018年

あきらめの儀式

2018年7月18日   岡本全勝

習い事が成就しなくても無駄ではない」の続きです。
穂村さんは、続けて恋愛というより、失恋についても書いています。

・・・恋愛に燃え上がっている友達にはどんなアドレスをしても無駄、と経験的にわかっている。もう可能性がないことが周囲の誰の目にも明らかでも、本人は決して撤退しない。
あれは一縷の望みに賭けるというよりも、むしろ完全に駄目だということを確認するための行為なんじゃないか。その儀式が済むまでは「もしかしたら」という思いを消し去って前に進むことができないのだ・・・

これも名言ですね。
うまくいかないことが見えた時、どこで撤退するか。思いを断ち切る儀式は、重要だと思います。ウジウジと引きずらないためにです。

個人にとってはそうですが、組織の場合は、そのような感情の処理に時間と費用をかけず、サッサと撤退しなければなりません。
そこが難しいのですよね。創業者が苦労した事業だ、従業員が苦労した事業だ・・・と。損切りは、なかなかできません。情に対して、理や利をどのように納得してもらうか。「あいつは冷たい奴だ」と言われても。

少し脱線します。
昭和20年春、日本の敗戦が確定的になったときに、戦艦大和が沖縄に向けて出撃します。航空機の援護なしですから、途中でアメリカ軍の餌食になり、無駄になることはわかっています。
第二艦隊の伊藤整一司令長官は、無謀な作戦に抵抗します。しかし、連合艦隊の草鹿龍之介参謀長の「一億総特攻の魁となって頂きたい」との説得で、出撃に同意します。草鹿参謀長は、伊藤長官の後輩でした。理ではなく、情で納得するのです。
その結果、大和とともに約3千人の将兵が戦死します。伊藤長官は、出撃の前に、将来ある見習士官たちを下船させました。

社会的孤立が生む認知症

2018年7月17日   岡本全勝

7月4日の朝日新聞オピニオン欄「認知症の予防どうする」、西田淳志・東京都医学総合研究所心の健康プロジェクトリーダーの発言から。

・・・世界的な医学誌、英ランセットに昨夏、「認知症の3分の1は予防可能かもしれない」という趣旨の論文が載りました。
青年期の教育機会の不足や、中年期の聴力低下、高齢期の孤立など、九つの要因を取り除ければ、認知症の発症を35%減らせるかもしれないという内容です。期待される認知症根治薬開発が難航する中、英国でも大きく報じられました。
しかしこれらの要因を減らすことで認知症の発症が実際に予防できたという介入研究による報告は限られており、現状では因果関係についての慎重な解釈が必要だと思います・・・

・・・ただ、この論文が「社会的孤立」を認知症のリスク要因と位置づけた点は、興味深いです。
今年1月に英国で誕生した閣僚ポスト「孤独担当相」のきっかけとなった報告書には、「38%が認知症になったことで友人を失った」とあります。認知症の予防という観点からだけでなく、認知症になっても孤立を生まない社会的な仕組みを、作ることが大事なのだと思います。
孤立を「自己責任」の範疇としている限りは、多くの公衆衛生的課題、健康課題の解決には結びつきません。
その意味で、英国の取り組みは参考になる部分が多いと感じます。英国民保健サービス(NHS)は数年前から、「社会的処方」という取り組みを試行しています。
例えば「寂しく、生きがいがない」と孤独を訴える患者に、地域の絵画教室や運動教室に行く「処方箋」を出し、そうした機会への参加を具体的に手配するのです。
こうした取り組みによって、地域の保健医療費の支出が減るなどの報告も出てきています。
社会的に排除されやすい人々、孤立しやすい人々を地域社会に包摂する具体的な仕組みが認知症予防の観点からだけでなく、総合的な健康政策としても位置付けられるべきだと思います・・・

社会的孤立は、このようなリスクにもつながるのですね。イギリスに「孤独担当相」ができていたのは、知りませんでした。

習い事が成就しなくても無駄ではない

2018年7月17日   岡本全勝

7月4日の読売新聞夕刊、穂村弘さんの「蛸足ノート」は「無駄じゃないあきらめの儀式」から。

・・・私が子供の頃は、学習塾に行っている友達はまだ少なかった。放課後は原っぱや空き地に集まって遊んでいた時代である。ただ、習い事に通っている子はけっこういた。書道、ソロバン、英会話、スイミング、ピアノ、絵画、日本舞踊などである。
私も書道と英会話とピアノ、それに絵画を同時期にではないが習っていた・・・
・・・結果的に、私は親の期待をすべて裏切ることになってしまった・・・

・・・でも、無駄とは思っていない。何故なら、それぞれの方面において自分には才能がないことを確認できたからだ。何もやっていなかったら、もしかしたら自分にはピアノの才能があったのでは、などと後になって考えてしまった可能性がある。子供の頃に習わせてもらえなかったから開花しなかっただけなんじゃないか、と・・・

はい、私の経験を基にしても、納得します。多くの人にも、思い当たることがあるでしょう。
エジソンは、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」と言ったそうです。もちろん、1万1番目に、良い方法を見つけたから言えるのですよね。
この項続く。「あきらめの儀式

猛暑の夏

2018年7月16日   岡本全勝

暑い日が続いています。朝から30度を越える日々。40度近くになるところもあるそうです。被災地では、ボランティアが活躍しています。ありがたいことです。熱中症に気をつけてください。

私は、外出を控え、家の中で過ごしています。水シャワーを浴び、冷たい麦茶を何度も飲んで。冷房の嫌いな私も、そうは言っておられません。20日の慶應大学での春学期最後の講義の準備をまずは終え、その他の資料の整理。

孫の相手、これは外出せざるを得ません。そして、意を決して新宿へ。散歩はあきらめ、地下鉄で行きました。地下鉄もお店も、寒いくらいに冷えていました。

皆さんも、健康に気をつけてください。

NHK、被災地での生活支援情報

2018年7月15日   岡本全勝

NHKがウエッブニュースで、被災地での生活関連情報を載せています。画面の中程です。目立つように黄色の字に、大きな文字で表示してあります。

例えば、広島県内。項目は、断水の復旧見込み、給水か所、住宅提供、入浴支援、災害ゴミ受け付けなど。
停電していない、テレビを見ることができるという条件の下ですが。これは、被災者には役に立ちます。
通常は、避難所に張り出すのですが。たくさんの人に最新情報を見てもらうには、この方が便利です。