年別アーカイブ:2018年

地域主義の復活、中央政府の機能不全

2018年7月29日   岡本全勝

7月28日の朝日新聞オピニオン欄、ニューヨークタイムス、デイビッド・ブルックスさんの「地域主義の復活 人間味のある緩やかな革命 」から。

・・・私たちはこれまで自由主義や保守主義を試みてきた。最近はポピュリズム(大衆迎合主義)を試している。次の時代を方向づけるのは、ローカリズム(地域主義)の復活だろう。
ローカリズムとは、権力は、地域社会や市、州レベルで行使されるべきだという考え方である。ローカリズムが、物事の進め方や哲学としても盛んになっているのは、国の中央政府が機能不全に陥っている一方で、多くの市町が活力を取り戻しているからだ。ワシントンの政治家が互いに抽象的なイデオロギーを浴びせ合うのは惨めなものだが、市長や知事たちは具体的な成果を次々と生み出していて充足している。
ローカリズムが最近盛んなのは、多くの都市が国よりも明快なアイデンティティーを持っているからでもある。私たちが社会に対する信頼度が低い時代に生きていることも、広がりを増す理由の一つだ。人々が信頼するのは、身近にいる地に足のついた変革のリーダーたちだけなのだ。
次の時代にくるのは、おそらくこのローカリズムの波だろう。そう仮定し、いくつか指摘しておくことは有用だろう・・・

・・・ローカリズムは真の革命である
ローカリズムの文字通りの意味は権力構造をひっくり返すことだ。これまで数十年の間、金、人材、権力は国家権力の中心に向かって流れていた。キャリアを積んだ政治家たちは中央政治への進出を目指し、優秀な若者は国立大学を経てニューヨークやワシントンへと押し寄せた。連邦政府はアメリカ人の生活への支配を強めていった。
しかしローカリズムにおいて、権力が集中しているのは実際に仕事が行われているシャベルの先端なのだ。専門の知識や技能はシンクタンクではなく、物事がどのような場所でどう進み、それを誰が行うのかといったローカルな知識を持つ人たちの間にこそある。成功は、どれだけ大きなスケールでできるかではなく、どれだけ深く関われるかによって決まるのだ・・・

・・・ローカリズムは連邦政府の権力行使の縮小版ではない。違う種類の権力だ
第1の違いは認識論の問題だ。連邦政府の政策立案者は「ホームレスの問題について我々に何ができるだろうか?」と問う。一方、ローカルの人は(ホームレスである)フレッドやマリーに、家を持つためには何が必要かを直接問いかける。
連邦レベルの政治家が見ているのは、データに還元できる事象だ。だが、地域レベルの政治家は、データ化できる物事も、そうではないものも見ているのだ。
第2の違いは関係性だ。連邦の権力は人間味がなく、画一的、抽象的で規則を重視する。一方、ローカルな権力には個性があり、相関的で愛情があり、不規則で、助け合いと信頼という共通の経験に基づく。国家のシステムは合理的な知性を高く評価するが、ローカルなシステムは情緒的な知性もまた求めるのだ・・・

我が意を得たりです。原文をお読みください。

中沖豊・前富山県知事をしのぶ会

2018年7月29日   岡本全勝

今日7月29日は、富山市まで、中沖豊・前富山県知事をしのぶ会に行ってきました。
私が中沖知事に総務部長としてお仕えしたのは、平成6年(1994年)から平成10年(1998年)までの4年間です。私は39歳から43歳、若かったです。いろんなことを経験し、そして学びました。

特に、知事の仕事に対する姿勢は、勉強になりました。粘り強く、そして熟考されます。ええ加減なところで結論を出してしまう私には、その辛抱強さは驚きでした。
もう一つは、富山に対する責任感です。天候や農作物の出来、さらには道路脇の景観まで。すべてのことに、知事としての気配りと責任を持っておられました。それらのいくつかは、総務部長に降ってくるのですが(苦笑)。所管分野だけをやり過ごすことが多い公務員としては、「責任者とはこうあるべきだ」と勉強になりました。
当時、読売新聞社が行っていた、県民の知事支持率調査では、常にトップでした。県民の知事に寄せる信頼がわかります。

性格も仕事の仕方も全く違う私を、4年間も使ってくださいました。
総務部長を終えて、内閣の省庁改革本部に転勤したら、早速訪ねてきてくだいました。そして、私を励ますだけでなく、私の上司に「岡本君を頼みます」と頭を下げてくださいました。

ミスター新幹線という名前がつくほど、北陸新幹線整備に心血を注がれました。3年前に新幹線が開通した時は、本当にうれしそうでした。
今日も、その新幹線で東京から富山へ行き、また帰ってきました。所要2時間15分です。便利になりました。
中沖知事は、空の上から、満足して富山と新幹線を眺めておられると思います。

鎌田先生の新著『地球とは何か』

2018年7月28日   岡本全勝

鎌田浩毅・京都大学教授が、『地球とは何か』(2018年、SBクリエイティブ )を出版されました。
「鎌田先生の地球科学の入門書決定版」でしょうか。読みやすくわかりやすいです。
地球の構造だけでなく、世界遺産(雄大な自然がきれいな写真で載っています)や日本列島、気候変動などのテーマも入っています。
学生時代に習った地学も、これだけ面白かったら、もっと勉強したのですが。
これで1000円は、安い。

・・・武田信玄曰く「動かざること山のごとし」と。しかし、この言は地球科学的には正しくありません。なぜなら、日本列島のみならず世界の五大陸自体が移動を繰り返してきたからです。これは「大陸移動説」として地球科学の中心課題となりました・・・

第1章 地球の誕生
第2章 地球の内部構造
第3章 プレート・テクトニクスという考え方
第4章 地球環境はどのようにできたか
第5章 世界遺産で見る地球の歴史
第6章 日本列島と人類の歴史と気候の変動
第7章 地球の鉱産資源とエネルギー資源

慶應大学、公共政策論・成績評価

2018年7月28日   岡本全勝

公共政策論の成績評価を終えました。今回も、レポート提出です。10枚前後の力作が多かったです。
出題の際に、書式や入れるべき要素などを指示していたので、多くの学生はそれを守ってくれました。また、授業の中で小レポートを書かせ、書き方指導もしたので、ほとんどが読みやすいレポートになっていました。小レポートに比べ、格段に良くなっています。書き方指導の効果が、出ています。
これは、学生にとっても書き方が身につくとともに、論旨がはっきりして、読む私にとっても読みやすいのです。
これらを満たしていない学生もいました。今回も1ページ以上にわたって、改行がないものなどがありました。彼らの出席状況を見ると、全く授業に出ていない学生や、ほとんど出ていない学生です。もったいないですね、出席しておれば、文章の書き方を身につけることができたのに。

さて、内容についてです。
学生たちは、まざまな社会問題を取り上げていました。少子高齢化、子育て、セクハラ、LGBT、貧困、格差、ブラック職場・過労死、さまざまな差別、過疎化、産業空洞化、政治への関心の低下・・・。
それら課題を調べることと、参考文献を読むことについては、ほとんどの学生が良くできていました。これができているレポートには、Bをつけました。
次に、対策の提案です。これは、ばらつきがありました。これまで取られている対策を評価し、メリットとデメリットがしっかり書けているものには、Aをつけました。
その中でも、特に良くできているものには、Sをつけました。

これからも、社会の問題に関心を持ち、ニュースや書物を読んでください。また、文章の書き方も訓練を重ねて、磨きをかけてください。
皆さんの活躍を期待しています。

慶應大学、地方自治論Ⅰ期末試験

2018年7月27日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰの期末試験をしました。348人が受けました。1教室に入りきらず、2教室に別れてです。ふだんの授業の出席者は170~200人なのですが。明日から、採点をします。記述式なので、読むだけでも大変です。

もう一つの、公共政策論は、レポートです。78人が提出したので、いま読んで採点しているところです。これも力作揃いで、読むのに時間がかかっています。