年別アーカイブ:2018年

福島市で国と地方の協議会開催

2018年8月9日   岡本全勝

今日8月9日は、福島市で、「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開催しました。
最近は、半年に1回開催しています。関係大臣と知事や県内各界代表が集まって、復興の進捗状況を確認し、次への課題を議論します。今日も、復興、経産、環境の3大臣が出席し、知事や市町村長と意見を交換しました。
いつも書いていますが、現地で、大臣と地方の関係者が定期的に議論を交わすことは、重要なことだと思います。

あと2年半で復興・創生期間が終わりますが、福島の復興はまだ道半ばです。来年に必要な予算とともに、次の10年をどうするかが、重要な議題でした。
最近の動きも、簡潔な資料として載せてあります。利用してください。

震災復興加速化、与党提言

2018年8月8日   岡本全勝

7月27日に、与党から総理に、震災復興加速化のための第7次提言の申入れがなされました。少し古くなって恐縮です。
与党復興加速化本部では、これまで、復旧の現状を踏まえ、とるべき措置について政府へ申し入れがされてきました。今回で7回目になります。
今回のポイントは、次のようなものです。
・津波被害地域では、甚大な被害を受けた地域でも、復興の総仕上げの時期。2020年度には、復興を成し遂げる。
・原発被災地では、中長期的な取り組みが必要。復興・創生期間後も、引き続き国が前面にたって取り組む。特定復興再生拠点の整備計画が認定され、それを進める。

与党申し入れは、現状を分析した、進むべき羅針盤です。この申し入れに沿って、関係省庁が、地元と協力しつつ、復興を進めていきます。

敗戦の認識2 責任を引き受ける

2018年8月8日   岡本全勝

橋本明子著『日本の長い戦後』の続きです。
著者は、戦争と敗戦の記憶が、家庭、メディア、学校という日常の3領域で、どのように語られているかを検証します。漫画日本史など、子どもの教育に大きな影響を与える媒体も含まれています。教科書より影響は大きいかもしれません。
単に、頭の中で3つの類型を整理するだけではないのです。挙げられている実例をみると、「そうだよな」と納得します。

為政者や戦争に参加した人とその家族にとっては、第一類型としてとらえたいでしょう。第二類型も、聞きたくない話です。
第二類型は、戦争の痛ましさを語ることで、戦争反対の立場に立ちます。しかし、著者が指摘するように、アジアの被害者は、抜け落ちています。
第三類型を語らなければ、アジア各国との「和解」はできないのでしょう。この点については、ドイツとヨーロッパ各国との経験が比較されています。

起こした事件をどう記憶するか、どのように責任を考えるのか。それは、過去のこととして客観的に決まるものではありません。後世の者たちが、引き受けなければならないことです。「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である」(E・H・カー)を、改めて思い起こさせます。

国家というのは、やっかいなものです。父親が犯罪者であっても、子や孫はその責任を問われません。しかし、国家が起こした罪は、その当時に生まれていなかった後世の国民も引き受けなければなりません。
戦中と戦後の国民の悲惨な体験。アジアの人たちの思い。軍隊を持つことを禁止された国。70年経っても癒えない傷。これらを見たら、戦争を起こした責任者たちは、どのような感想を述べるでしょうか。為政者は、その時々だけでなく、遠い将来を、そして影響を与える諸外国との関係も見据えた判断が必要です。

みすず書房の本は深い内容の良書が多いのですが、読むのに時間がかかります。しかし、この本は、すぐに読み終えました。この項続く

敗戦の認識、『日本の長い戦後』

2018年8月7日   岡本全勝

橋本明子著『日本の長い戦後』(2017年、みすず書房)が勉強になりました。副題に「敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか」とあるように、日本の敗戦についての認識を分析したものです。

勝った話や成功した物語は、記録し思い出すには楽しいですが、負けた話と失敗した物語は、思い出したくない、触れて欲しくないものです。
しかし、戦争は国家が行ったことであり、その責任を忘れることはできません。被害者に対し罪を償う必要があります。また、再び起こさないためにです。その際に、空気のような国家があるのではなく、それを指導した責任者と実行した兵士、さらにそれを支えた国民がいます。
戦争指導者や軍人の回顧録、戦災に遭った国民の記録、それを基にした出版物がたくさん出ています。毎年8月15日には慰霊式典が開かれ、新聞なども特集を組みます。

この本が違うのは、それらの語りを3つの道徳観から分類し、それぞれの立場からの記憶と語りが「限界を持つ」ことを鋭く指摘するのです。
第一類型は、戦争と敗戦を、勇敢に戦って戦死した英雄の話としてとらえます。戦死者という犠牲の上に、現在の平和と繁栄があると、犠牲者に感謝します。終戦記念日の追悼行事や新聞の社説によくある言説です。しかし、これは開戦責任や敗戦責任から目をそらすことになります。「美しい国」の語りと、著者は呼びます。
第二類型は、戦争を、敗戦の犠牲になった被害者の話としてとらえます。空襲、原爆、さらには戦後の混乱での被害者です。人々の苦難を強調し、軍国主義に反対します。しかし、この語りも、日本が傷つけたアジアの人々の苦難からは、目をそらしています。「悲劇の国」の語りです。
第三類型は、戦争を、アジア各国での加害者の話としてとらえ、日本が行った侵略、支配、搾取を強調します。「やましい国」の語りと、著者は呼びます。この加害者としての語りは、日本人にとって悩ましいものです。
この項続く

女性社員の昇進

2018年8月7日   岡本全勝

8月6日の日経新聞女性欄の「外資系は社員ファースト キャリアも働き方も自分次第」から。

・・・英系ロバートウォルターズ・ジャパンの16年の調査では、女性管理職比率が20%超の国内の外資系企業は29.8%に対し、日本企業は11.9%だ。日本企業の課題は人事評価の方法自体にも見え隠れする。
「日本企業は社員を年次ごとに相対評価で管理する。これが女性の働きにくさの最大要因」とリクルートワークス研究所の石原直子主任研究員。「何年目の社員なら何をやっているはず、という“普通”を歩む社員の中から出世する人をふるいにかける」(同)ため、出産育児で「普通の社員」と同様の働き方ができなくなった女性はキャリアアップの道から外れがちだ。会社に在籍し続けていてもそうなのに、一度離職してしまった人はなおさらだ。

アクセンチュア戦略コンサルティング本部の植野蘭子マネジング・ディレクター(39)は夫の海外転勤に伴って国内メーカーを退職し、専業主婦になった。帰国後「もう一度働きたい」と就職活動を開始したが、日本企業は門前払いだった。一方で外資数社から内定を得て、アクセンチュアで働き始めた。
女性の復職を支援するワリス(東京・港)は「日本企業は年数に応じてクラスや賃金が決まることが多いため、ブランクのある人の再就職は難しい。外資は個人の仕事の範囲が明確で、満たすスキルがあれば年齢など他の要素は関係なく採用される」と植野さんの再就職を分析する。
今の会社に入社後、上司からの食事の誘いを部下が断っているのを見て植野さんは驚いたという。「上の言うことを断らないとか担当外の社内イベントの準備とか、フルコミットして総合的に評価されるのが日本企業」。その後アクセンチュアで低い評価がついたこともあったが「どれも明確に自分の仕事に対するもので納得できた。仕事だけに焦点をしぼれた」・・・