年別アーカイブ:2018年

最も多いのは、単身・無職世帯

2018年10月2日   岡本全勝

9月24日の日経新聞に「単身・無職が最多 しぼむ4人家族」が解説されていました。
・・・ 日本の「世帯」の姿が大きく変化している。夫婦と子ども2人の家族構成は今や少数派で、もっとも多いのは単身世帯だ。さらに仕事の状況も合わせて分析すると、直近では「単身で無職」の世帯が2017年に最多になったとの調査もある・・・

・・・大和総研の是枝俊悟研究員は、世帯と仕事との関係を時系列で分析した。世帯を人数だけでなく、働いている人がいるかどうかによって分類した。すると17年は「単身・無職」が最多になっているという結果が出た。30年前には全体の7%にすぎなかったが、17年には17%まで上昇した。5世帯のうち1世帯は「働いていない人の一人暮らし」になったという・・・

記事には、人数別、有業者別の世帯数割合が、グラフになって示されています。もう一つ衝撃なのは、1974年、1988年、2017年の変化です。この40年間の急速な変化に驚きます。
例えば、単身・無職世帯は、1974年には4%でした、それが2017年には17%になっています。4人世帯で1人が働いているのは、1974年は15%あったものが、5%に減っています。2人でともに無職という世帯も、14%に急増しています。
このような変化は、日本の社会を大きく変えることになります。それは、税収や財政支出という財政への影響や消費行動だけでなく、社会の活力、地域の力をです。
詳しくはグラフをご覧ください。

話し方を磨く

2018年10月1日   岡本全勝

社会人になると、話し方が重要になります。良い教材をお教えします。
NHKラジオの「ことば力アップ」です。10月から半年間の放送です。私は放送を聞かず、テキストを読むだけですが。「テキスト
「話すのは苦手で」という方には、お勧めです。学生諸君にも、勧めています。「人前で話すことが下手です」とか「就活の面接が不安です」という学生も多いです。そのような経験がないからですね。このテキストには、「就職面接を決める話し方」も含まれているのです。

話すことは、誰でもできることです。しかし、相手に伝わる話し方となると、難しいです。『明るい公務員講座 仕事の達人編』でも、伝える技術として、話し方をお教えしました。
このテキストでも、私の教えていることと同様の趣旨が書かれています。しかし、私が教えるより、話のプロであるNHKのアナウンサーの方が、説得力があります。そして、和久田さん小郷さんが話しかける方が、相手は聞きますわな。

岩手県被災地視察3

2018年10月1日   岡本全勝

岩手県被災地視察2の続きです。

町が津波で流され、新しく街並みを造っている地域では、いわゆる「コンパクトシティ」ができています。かつては、街並みが広がり(といっても空き家も多かったのです)、集落が点在していました。再開発の際に、住民が減りつつあることや、工事費用を抑えるために、町の中心にそれらを集めたのです。
そして、図書館や公共ホールなども。これらは、平時だと土地の買収のために、郊外に作られることも多いのです。しかし、それは町中の賑わいを寂れさせることになっていました。町の中心、駅近くに寄せることで、人が集まるようになっています。山田町、大槌町、釜石市、陸前高田市がそうです。
便利になっています。大災害からの復興が、町を集約化する機会になりました。

なお、大槌町では、高校生が、町の復興状況を定点観測(同じ場所を写真でとり続ける)しています。たくさんの地点と写真がありますが、お勧めは町の中心である「町方」です。例えば「B10」。

会社の飲み会

2018年9月30日   岡本全勝

9月23日の朝日新聞オピニオン欄「会社の飲み会」が興味深いです。「酒の力は潤滑油か迷惑か」を問うています。
・・・「飲みニケーション」という言葉があります。職場の上司や同僚らと仕事帰りに「ちょっと一杯」。お酒を酌み交わして本音で語り合うことは、仕事を円滑に進めるために必要だという考え方もあれば、働き方改革が叫ばれている時代にそぐわないという意見もあります。みなさんは、どうでしょうか。職場の飲み会、好きですか?・・・

●「若い男性だからセクハラまがいな発言を投げかけても大丈夫だろうとなめられたのか、さんざんなことを言われて愛想笑いでなんとか拳をこらえた3時間という飲み会が思い出に残っています。若い世代には偉そうにコミュニケーション能力なんて語りながら、中高年社員たち自身は酒に逃げないとコミュニケーションが取れない『飲みニケーション』。情けないです」(IT、ベンチャー 京都府・20代男性)
●「子供ができる前は当たり前に参加していたが、現在は夜に子供たちだけで留守番させるわけにいかずまったく参加しなくなった。連れてきてよいと言ってもらうこともあるが、そのような場所に子供を置くことに違和感を感じる、たぶん子供が独立するまで夜の参加はありえないし、それで不都合があるとしてもしょうがない。ただ、主人は同じ子供をもちながら新年、忘年会、全て当たり前、仕事のためというわけでもなく、その中で子供の話もしているようで、会社の飲み会って何なのだろうと非常にモヤモヤする」(サービス業 兵庫県・40代女性)

●「若い時、人と付き合う基本を教えてもらったように感じます。逆に絡まれて嫌なこともありましたが、しらふで絡まれることを思えば、そこに『赦(ゆる)し』が介在するのが飲み会なのだなと思います。アルコールに寛容な日本社会らしいといえばそうなのですが、人前で意見を述べることに躊躇(ちゅうちょ)してしまうことが多いこの島国ならではのコミュニケーション手段なのだと今でも思います。今、管理職となった身として、なるべく積極的に部下を誘い、個人的に、また団体で飲むことが多いですが、自分がされて嫌だった一方的な押し付けを避け、なるべく彼らに自由に話す場を創出するよう努めています」(官公庁、諸団体 大阪府・40代男性)
●「まったく違う部署の先輩方にも飲み会の際に声をかけてもらえるようになり、社内の交友関係が広がった。業務中やオフィスでも声をかけてもらえることで仕事がスムーズに進むこともある。また、社内の裏事情や入社前の会社の話などを知ることで世渡り上手になる。嫌だった経験は、飲み会で相談したプライベートな内容を社内に広められたこと」(医療・福祉関係 京都府・20代女性)

会社の飲み会は、会社が男社会だった、昭和の遺物でしょうね。子育ての共働きだと、そんなにしょっちゅう、飲み会に付き合うことはできません。漫画サザエさんで「今晩、一杯どう?」とマスオさんと穴子さんが出かけますが、これもサザエさんが家を守っているからできるのです。
家庭を顧みずに会社に奉仕した男たちの世界です。もっとも、飲み会の時間は働いてはいないので、会社に奉仕したのか、自分たちの娯楽に励んでいたのか、怪しいですね。「コミュニケーションだ」とか「部下の指導だ」という言い訳をつけて。
私は、この点では猛省が必要です。この項続く

岩手県被災地視察2

2018年9月30日   岡本全勝

岩手県被災地視察」の続きです。
まちの復旧を考える時、住宅や道路などインフラの復旧を想像しますよね。まずは、住むところと施設が必要です。ところが、町が復旧するには、そのような建物や施設だけではなく、生活に関する各種のサービスと働く場が重要なのです。
お店がないと、暮らしていけません。働く場がないと、生活できません。災害で町を離れた人が、新しく作られた町に戻ってくるかどうか。そして、その地域ににぎわいが戻るかどうかは、このサービスと働く場にかかっています。

町の中心部を流されたところと、福島の原発事故で避難した町で、このことを痛感しています。商業サービスも公的サービスも、利用者がいないと、成り立たないのです。しかし、各種のサービスが再開されないと、住民は戻ってきません。需要と供給は、ニワトリと卵の関係です。
他方で、商店や工場を再開しようとしても、働く人がいないと、運営できないのです。すると、徐々に住民が戻り、徐々に商店が再開するという「時間」が必要なのです。

そして、その地域に今後どの程度の人口が定着するか。それは、働く場にかかっています。
三陸沿岸の町は、水産業が主たる産業です。飲食店もガソリンスタンドも運送業も、水産業があってなり立ちます。他方で、水産業もそれらの支えがあって成り立ちます。昨年は、サンマが記録的な不漁でした。今年は、今のところ元に戻りつつあるようです。
また、いくつかの地域では、水産業を含め全体の経済活動が(復興の建設需要を除いても)大震災前の水準まで戻っています。これは、明るい話です。この項続く

なお、9月30日の朝日新聞が、「東北の仮設商店街、迫る退去期限」を大きく解説していました。