年別アーカイブ:2018年

保険料+税金で成り立っている社会保障

2018年10月30日   岡本全勝

10月8日の日経新聞オピニオン欄、大林尚・上級論説委員の「「消費税こわい」偏る負担 社会保障、現役もう限界」に、わかりやすい図が載っていました。

「主な社会保障制度の財源構成」です。生活保護、基礎年金、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険、協会けんぽ、健保組合、厚生年金です。
このうち、健保組合と厚生年金は全額保険料でまかなっていますが、その他の制度には、国費と自治体負担が入っています。生活保護は全額が公費、基礎年金・国民健康保険・後期高齢者医療制度介護保険は、半分が公費です。この公費は、税金です。
皆さん、ぼんやりとはわかっているのですが、このような図で示されると、わかりやすいですね。

大林さんの原文は、今後も増え続けることが予想されるこれら社会保障費の、財源をどうするのかを問うています。
次のような記述もあります。
・・・増税に真っ向から挑んだのは与謝野馨氏。2009年、麻生政権の経財・財務相として改正所得税法案の国会審議の矢面に立った。付則にこう書かれていた。「消費税を含む税制の抜本改革を行うため11年度までに法制上の措置を講ずる」。増税の法定期限を区切った法案を賛成多数で成立させた自民党は、その年の衆院選に大敗し野に下った・・・
私は、総理秘書官として、その現場に立ち会いました。

働き方改革、企業の取り組み2

2018年10月29日   岡本全勝

働き方改革、企業の取り組み」の続きです。
記事には、602社の調査結果として、次のような数字も載っています。
労働時間の適正化の施策では、業務の効率化71%、管理職の意識改革70%、社員の意識改革67%、労働時間の見える化62%です。

年次有給休暇取得率の平均は29%。最も多いのは60~70%の19%、次に50~60%が17%です。
年休取得を奨励するための施策は、年休の取得計画を事前に提出するが41%、年休取得奨励日の設定が39%、時間単位年休取得制度が20%です。

相馬地区議員研修会講演

2018年10月29日   岡本全勝

今日29日は、福島県南相馬市で、相馬地区議員研修会で講演をしてきました。新地町、相馬市、南相馬市、飯舘村は、津波被害と原発事故被害に見舞われました。それからの復興に取り組んできました。
私がこの7年間の復興を通じて考えた「町とは何か」を、一緒に考えてもらいました。インフラ復旧だけでは、町の賑わいは戻らないこと。コミュニティと働く場を取り戻すことがより重要なこと。そしてそれは、行政が予算だけではできないということです。

その後引き続き、南相馬市役所で南相馬市の復興について、市役所、県庁、国の関係機関の打ち合わせ会議に出席しました。避難指示が解除された小高地区を今後どのように復興させるのか、南相馬市の発展をどのように進めるのかなど。復興が進んでいるのですが、新しい課題が出てきます。課題が明確になっているので、それらを関係者や民間の力を借りて解決していきます。

先週から、講義と講演が続いています。10月分はこれで終わりです。11月12月も、いくつか引き受けています。
お呼びがあるのは、うれしいのですが。90分話すとなると、主催者の注文と観客の関心を考えて、話の内容やレジュメをつくらなければなりません。そしてスライドやら配付資料やら。
大震災からの復興は「基本形」ができているので、それを観客に合わせて編集します。行政のあり方や働き方改革は、基本形はあるのですが、どんどん時代が進むので、これは毎回「発展途上型」です。

働き方改革、会社の取り組み

2018年10月28日   岡本全勝

10月23日の日経新聞特集欄、「シンポジウム スマートワーク経営 日本の挑戦」から。

福田真人・三井住友海上保険取締役の発言。
・・・2017年4月から午後7時前の退社を原則とする改革を打ち出しました。社長のトップメッセージという形で大きくかじを切って目標を定めました。生産性の向上、マネージャー層の意識改革、ムダな仕事の排除、多様な働き方の支援の4つの具体的な進め方を決め、全社で進めました。大胆に仕事を切り、業務の見直しをしたことが成果につながったと思います・・・

「日本企業の働き方の文化を変える必要があります。やめられないと思い込んでたけれど、実際にやめても問題はなかったというような事例はありますか」との問には。
・・・定例会議の廃止です。営業会議をなくすことに対して「数字が心配だ」といった意見もありましたが、廃止しても数字は変わりませんでした。目的を意識せず、慣例でやっている会議が多いことに気がつきました・・・

「働き方改革に対する副作用、つまり、痛みを伴ったことはありませんか」との問に。
・・・確かにマイナス面もあります。残業時間の削減を進めた当初は、一部の部署で早帰りが目的化してしまったことがありました。長時間働いていいると生産性が悪いと評価されるとの不安から、そうなりました。仕事の進め方を変えず、単に早く帰れと上司から言われたため、仕事がたまってしまい顧客からの問い合わせも増えました・・
この項続く

円高になっても、企業の業績は落ちない

2018年10月28日   岡本全勝

10月3日の日経新聞に、「通説を疑え」「「円高だと減益」本当? 11年で減益3回のみ」が載っていました。

・・・輸出で稼ぐ企業が多い日本。「為替が円高だと業績は減益になる」とのイメージは根強い。確かに個々の企業や事業は影響を受けるが、日本企業全体でも本当にそうなのか。
1998~2017年度の過去20年のうち、為替の年度平均が前年度に比べて円高・ドル安に振れたのは11年あった。この期間の上場企業の業績を調べてみると、意外にも「最終減益」となったのは1999、2008、11年度の3年のみにとどまった。様々な企業努力で円高のマイナス要因を吸収している姿が浮かび上がる・・・

・・・背景にあるのは、第1に海外への生産移転や原材料の現地調達だ。日本の自動車メーカーの米国での生産台数は17年で約380万台と30年前の10倍に増え、海外移転が進んでいる。
第2に、決済の工夫など為替対策の進展だ。ソニーは輸出で得た外貨収入と、輸入で生じる外貨の支払いを同じ通貨で相殺する「マリー(marry)」と呼ぶ手法を2000年以降、本格化。グループ内の為替・資金管理を一元化する会社をロンドンに設立した。
第3に、通信や建設など、為替の変動に左右されにくい非製造業が成長していることも影響していそうだ。非製造業の経常利益(金融含む)は19年3月期は26兆円の見通しで、製造業(24兆円)より多い。09年3月期以降は製造業を上回る状態が続く・・・

なるほど。「日本の経済は輸出依存」は、誤解ですね。個別企業に聞くと、業績の悪い企業は円高を理由に「困った」と主張するでしょうが、業績の良い企業は「黙っている」でしょう。原文をお読みください。