年別アーカイブ:2018年

『明るい公務員講座』第3巻、途中報告

2018年11月11日   岡本全勝

『明るい公務員講座』の第3巻を執筆・編集中です。連載「明るい公務員講座中級編」のうち、課長向け、特に課長初任者向けの分をまとめています。

今回は、何を読者に伝えるか。
伝えたいことはたくさんあるのですが、それを羅列しても、読者の頭には残りませんわね。大きな目的を幹に立て、それに枝を配します。
それに沿って、該当する記事を並べ替え、だいたいの構成はできました。次に、文章を加筆しています。ところが、全体を通して読むと、抜けているところがあります。その穴を埋めるために、新たに執筆する必要があります。
また、読み返す度に、気になるか所が出てきます。すると、章立てが変わったり。レンガ(文章の部品)をあっちに持って行ったり、こっちに移し替えたり。まさに、推敲の悩みです。
「書いてまた消す、湖畔の便り~♪」と歌いながら、加筆しています。高峰三枝子さんのヒット曲「湖畔の宿」を、若い人は知らないでしょうね。戦前の歌ですから。私もよく知らないのですが。

ほぼ半分できましたかね。できたところから、右筆に朱を入れてもらっています。
原稿一式を鞄に入れて持ち歩き、時間がある時に手を入れています。とはいえ、集中する時間と場所がないと、執筆は難しいです。
「課長編は、まだですか」との問い合わせが、いくつもあります。1月には脱稿したいですね。でも、毎日忙しいし、年賀状書きの季節も来ます。

個人商店の消滅、コンビニの氾濫

2018年11月10日   岡本全勝

津波被災地では、まちの復興が進んでいます。視察をして、気になることがあります。
町中の商店が、コンビニばかり目立つのです。八百屋や肉屋、荒物屋といった個人商店や専門店は、見当たりません。
関係者に聞くと、コンビニだと、店主は品揃えや仕入れに悩まなくてもすむのです。何万種類にも上る商品が、バーコードを使ってコンピュータで管理され、品薄になると配送センターから補充されます。次々と新商品が棚に並べられ、売れない商品は撤去されます。

極論すると、店主はその仕組みの管理人であり、アルバイト店員の管理人です。もちろん、いろんなノウハウや悩みはあるのでしょうが。
個人営業の店だと、どのような品物をどれだけ仕入れるかを、悩まなければならないのに比べ、その違いは大きいです。個人商店が、コンビニのように新鮮なおにぎりやサンドイッチを、欠品なく並べることは難しいでしょう。また、その背景には、問屋さんの機能の縮小もあるのでしょう。
消費者にとっては、品揃えの多いコンビニやスーパーマーケットが便利です。

個人商店が減り、コンビニやスーパーマーケットに代わられる。この傾向は、被災地だけでなく、日本全国で進んでいるのでしょうね。
私は道路を走っている車の窓から見ているので、道路脇に立っている目立つ3種類(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)の看板を見ているから、なおさらそう思うのかも知れません。

なお、10月31日の朝日新聞夕刊「あのときそれから」は、1974年の「大店法施行」でした。中心市街地の商店街衰退を解説しています。当初は大型店対中小小売業だったのですが、その後は郊外の大型店と中心市街地の構図になりました。
そして、町の中心が空洞化し、車を持っていない人には買い物が不便な町になりました。さらに、困るのは飲食店です。飲んだら運転してはいけないのですから。
この点では、日本の多くの都市は、街づくりに失敗しました。

もう一つの来週の予定

2018年11月10日   岡本全勝

『明るい公務員講座』では、来週の予定を金曜日に立てて、仕事の段取りを考えようと、お教えしています。
私の場合、仕事の予定は秘書が管理してくれていて、毎週金曜日に打ち合わせをします。ところが、私はもう一つの「来週の予定表」を、作らなければなりません。すなわち、どこで3食を食べ、どこで寝るかです。

基本的には、週の前半は福島で勤務し、ほかの日は東京勤務ですが、金曜日午前は慶應大学に行きます。そして、昼食会や夜の意見交換会が入ります。講演の出張や、土日に仕事や知人と会う用件が入ることも。その予定を、キョーコさんに申告しなければなりません。簡単に言うと、次の項目です。
・朝食は家で食べるかどうか。
・何時に出かけるか。
・弁当は必要か。
・夜は家で食べるかどうか。
・家で泊まるかどうか。

少々変則的な「下宿人」なので。

日銀の役割と経済

2018年11月9日   岡本全勝

11月3日の朝日新聞オピニオン欄、白川方明・前日本銀行総裁の「民主主義と中央銀行」から。一部を紹介しているので、原文をお読みください。

「でも多くの人が「デフレが日本経済の最大の問題」と信じこんでしまったのはなぜでしょう」という問に。
・・・多くの国民は物価下落というより、将来の生活不安など現状への不満を表す言葉として使ったのでしょう。他方、エコノミストにとって、デフレは1930年代の大不況を連想させる恐怖感の強い言葉でした。「失われた20年」という言葉のナラティブ(物語)の心理的作用も大きかった。アジェンダ(課題)が正しく設定されなかったように感じます・・・

「正しいアジェンダとは?」には。
・・・最も重要なのは超高齢化への対応と生産性向上です。金融緩和は将来需要を前借りし、時間を買う政策。一時的な経済ショックの際、経済をひどくしないようにすることに意味があります。でもショックが一時的ではない場合、これだけでは問題は解決しません・・・

「政治がその課題に向き合わないのは、なぜでしょうか」
・・・少なからぬ政治家は問題を十分認識していますが、痛みを伴う改革は国民に不人気です。その点、金融政策は選挙と関係なく中銀が決められる。そうなると、誰も異を唱えない金融緩和が好まれがちになります。これは世界的な傾向です。経済状況が不満足でかつ低インフレ状態なら、中銀も何か行動しなければ、という心理状態に陥りやすい。社会全体の集合的圧力に支配され、みな身動きできなくなってきます・・・

「リーマン・ブラザーズを救済すれば、あれほど危機は深刻にならなかったのではないですか」との問には。
・・・難しいところです。たしかに危機が深刻化した直接の引き金は(米国の中銀である)FRBがリーマン救済の融資をしなかったことでした。FRBは担保不足を理由にしましたが、実は議会や国民の反発の声が非常に強かったからではないかと想像します。
対照的なのが1997年、日銀が山一証券の自主廃業の際、無制限の特別融資をしたケースです。日米の置かれた状況はよく似ていた。どちらも業界4位の証券会社、銀行システムはきわめて脆弱、円滑な破綻処理や公的資金の枠組みがない。政府・日銀は日本発の世界金融危機を防ぐことを優先し、日本経済の落ち込みはリーマンの時と比べ小さくできた。だがそれゆえに抜本策の採用は遅れ、問題先送りだと批判されました。
一方、リーマンのケースでは世界経済は大混乱に陥ったが、その結果として米議会もいったんは否決した危機対応の法律の承認に動き、7千億ドルの公的資金投入が可能になった。ただし失業率は大幅に上昇し、トランプ現象に象徴される社会の分断の一因にもなりました。民主主義のもとで、誰が何を、どのように決定すべきか、今も明確な答えはありません・・・

慶應大学、地方自治論Ⅱ第6回目

2018年11月9日   岡本全勝

今日9日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第6回目の授業。地方税の続きです。
税収を確保するにはどのような方法があるか。人口を増やす企業を誘致する、観光客を増やすことも方法です。そのような状態を前提として、新税をつくる、税率を上げる方法もあります。もっとも、税率を上げると、お金持ちや企業は逃げていくでしょう。
地域間に税収の格差があるとともに、健康保険料や水道料金にも、自治体間で大きな格差があります。これらをどう考えるか。
事実を提供して、学生諸君に考えてもらいました。