年別アーカイブ:2018年

被災者生活支援本部、指名した2人

2018年1月16日   岡本全勝

日経新聞夕刊コラム第2回の補足説明(1月11日記事)に、私が呼び寄せた2人の名前を書きました。「なぜ、その2人を指名したのですか」との問い合わせがあったので、説明します。
彼ら2人は、旧総務庁採用です。私の自治省の後輩でありません。2001年に行われた省庁改革を準備する本部で、知り合いました。1998年から、参事官だった私を、企画官として支えてくれました。その後も、時に集まっては「意見交換」をしていました。

二人とも、省庁改革本部勤務とともに、行政管理局などの経験もあり、霞が関全省庁の組織や仕組みを熟知してるいるのです。被災者支援に必要な仕事を分類整理し、霞が関各省から人を集め、組織をつくる。それには、彼らが適任だと考えたのです。
被災地の自治体との連携も必要ですが、それは総務省や国土交通省に任せておけます。

そして彼らは、私の仕事のやり方を熟知しています。私も、彼らの仕事ぶりを知っています。細かい指示をしなくても、どんどん進めてくれるのです。
夕方に私の前にやってきて、「関係者の××に、『全勝さんの指示だから・・・』と言ってありますから、問い合わせが来たら『その通りや』と答えてください」というようにです(苦笑)。
また、面と向かって「それは、駄目でっせ」と意見を言ってくれるのです。
このような職員を知っていた、持っていたことは、幸せでした。

明治政府の地方発展戦略

2018年1月15日   岡本全勝

1月11日の日経新聞経済教室は、寺西重郎先生の「銀行業の未来 地方や新興企業に重心を」でした。そこに紹介されている、明治政府がとった地方政策が興味深いです。

・・・明治20~30年代に伊藤博文のとった経済発展戦略を手掛かりに考えてみよう。
幕末維新の動乱の後、近代日本の支配者となった藩閥政治家たちが当初とった政策は、殖産興業政策など中央主導の近代化政策の強行であった。しかし明治20年代になって伊藤たちが実権を握ると、政策の大転換が行われた。それまでの中央集権政治では排除していた地方の地主や商工業者を取り込み、農業と在来産業の発展を踏まえた工業化・近代化という新しい政策へ移行したことである。
伊藤とその下の松方正義、井上馨、山県有朋らは議会開設や憲法発布とともに、地方に高等教育機関をふんだんに配備し、地方の在来産業を重視する経済発展に転じた。それは国内では自由民権運動の高揚に押され、国際的には関税自主権のないままに自由貿易体制に組み込まれたという厳しい状況下で、やむを得ずとった政策でもあった。

しかし現在の視点からは、この政策は2つの重要な意味を持つ極めて巧みな戦略であった。第1は、政策課題が山積している状況下で、伊藤たちが中央と地方の発展戦略における役割分担に解決方法を求めたことである。国の近代化のためのリスクを伴い時間を要する近代工業の建設は、中央の政府と財閥が引き受ける。その代わり地方の豪商農には自らの力で在来産業を発展させて、雇用機会を提供し、外貨を獲得するという役割を担わせる戦略である。
第2に、伊藤たちが近代工業の建設にかかる時間を冷静に計算し、長期の時間軸政策を行ったことである。軽工業である繊維工業などは短時間で何とかなるであろう。しかし本当に必要な重化学工業を作り上げるにはかなりの時間がかかる。それまでは在来産業の働きに頼るしかないという読みである・・・

原文をお読みください。
明治政府は、内閣制度、憲法発布、国会開設といった中央政府の構築だけでなく、地方をどのように統治するかも重視していました。憲法より先に地方制度を作ったのです。地方を安定させること、地方政治の闘争を中央政治に持ち込まないことが、必要だったのです。

福島風評被害対策

2018年1月15日   岡本全勝

読売新聞1月14日の社説は、「福島風評対策 魅力と正しい知識を伝えよう」でした。
・・・原子力発電所の事故があった福島県の復興を加速するためには、政府一体となった積極的な取り組みが欠かせない。
復興庁が、福島復興に関する「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」をまとめた。関係省庁が、福島の現状や魅力などを国内外に発信していく際の基本方針となる。
戦略が柱として掲げたのは、「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」の3点だ・・・
復興庁のホームページ。風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」

週末定番のぼやき

2018年1月14日   岡本全勝

日曜日の夕方に、これを書いています。孫のお守りやら原稿の加筆が一段落したので、手帳を見ています。これが、私にとって重要な時間なのです。

来週にしなければならない仕事(公務)は、金曜日に秘書と打ち合わせしてあります。講義や講演会の準備、締めきりが来る原稿など「副業」は、「しなければならない一覧」(A41枚)に書き出してあります。『明るい公務員講座』に書いたようにです。
あわせて、月曜から日曜まで毎日、朝食・昼食・夕食をどこで食べる予定か(自宅か弁当か外食か)、宿泊は自宅か福島かを、表にしてキョーコさんに提出します。

さらに、日曜夕方に手帳を広げるのは、それらを再確認することと、どこで自分の時間がとれるかを算段するためです。「新幹線の中で、ホテルで、あの本を読もう」とか。なかなか自分の時間を確保できないことが、悩みです。
いろんなことを引き受けない、毎晩のように異業種交流会に行かない、このあと晩酌をしないことにすれば、解決できるのですが・・・。はい、いつも同じことを言っています。

とはいえ、連載「明るい公務員講座」は連載が終わり、単行本にする作業も進んでいます。大学の講義もあと1回で、期末試験。新しく引き受けた連載の日経新聞夕刊コラムは準備してあるので、少々余裕があるのです。
すると、買ってある本を読み始め、あれも読みたいこれも読もうと、これまた収拾がつかなくなります。

原発事故、住宅無償提供の功罪

2018年1月14日   岡本全勝

1月9日の読売新聞「展望2018」に、平尾武史・地方部長が「人口減社会の街の姿」を書いておられます。
・・・福島県浪江町で新聞販売店を営む鈴木裕次郎さん(34歳)は怒っていた。憤慨させたのは同町など9市町村から各地に避難する人への住宅無償提供を延長するという県の決定。今春までの予定を来春に1年間延ばすものだが、鈴木さんは「本当に住民を帰還させる気があるのか」と言う。
原発事故から6年となった昨春、浪江町はようやく中心部などの避難指示が解除になった。しかし、2万人を超えた居住人口は昨年11月末で440人・・・
・・・事故前は3000部の新聞を配っていたが、今は100部にとどまる。それでも「新聞は社会インフラの一つ」という思いから町に戻り、毎日配達を続ける。そんな鈴木さんには、無償提供の延長が行政のやる気のなさに映る。住民の帰還がさらに遅れる恐れがあるからだ・・・