年別アーカイブ:2018年

地方議会の課題

2018年2月3日   岡本全勝

2月1日の朝日新聞オピニオン欄は、前長野県飯綱町議会議長・寺島渉さんの「地方議会は変えられる」でした。
・・・なり手不足を解消しようと、夜間議会、日曜議会、若手への報酬の増額などを始めている議会がありますね。形式的な改革ばかりをしても根本的な解決にはなりません。なり手がいないし、議員も多すぎるといわれるし、安易に定数削減をすると、二元代表制を弱める危険性すらあります。
今の地方議会には魅力がない。身近に議員がいなくて、話す機会もない、何をやっているのかわからない。そんな不信感から住民が議会から遠ざかっている。そこを改善しなければなりません。
地域の課題が変化しているのに、議員が変わっていない。昔は生活の基礎、農道や用水路のハード整備など鮮明な行政への要求がありました。現在は地域のインフラ整備も一段落し、子どもをどのように地域で育てるのか、高齢者の福祉をどうするのか、集落ではなく町全体で共通の課題を考えなければいけなくなった。そのために、議員は政策立案していくことが求められますが、その姿勢がない。首長の追認機関のままでいいという議員もいる。それが住民との間にギャップを生んでいます・・・

・・・議員を出す地域の機能が低下しているんです。集落は行政、農業、生活、住民自治の基礎ですが、若者が流出し、高齢化で基礎がぐらついている。昔は農協青年部の米価闘争など政治活動を学ぶ場所が身近にあった。
今はいかに個人がインターネットなどを使って稼ぐか。横の連携が弱くなって、集落の中で人々が個々に分断されています。集落が男性中心の運営で昔から変化しないことも問題です・・・

山口周著『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』

2018年2月2日   岡本全勝

山口周著『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか? 経営におけるアートと サイエンス』(2017年、光文社新書)が勉強になりました。
欧米のグローバル企 業の幹部トレーニングに、美意識が重要になっているのだそうです。これまでの 論理的・理性的スキルに加えて、直感的・感性的スキルが期待されているのです。関心ある方は、本をお読みください。ここでは、私が気になった点だけを紹介します。

1 これまでのような「分析、論理、理性」に軸足を置いた「サイエンス重視の意思決定」が行き詰まり、要素還元主義の論理思考でなく、全体を直感的にとらえる感性と、「真善美」が感じられる構想力が求められている。

「経験」によって経営していた企業に、コンサルタントなどが「論理と理性」を持ち込むことで、合理的な経営ができるようになった。しかし、論理と理性では 解決できない問題がある。それを科学的に結論を出そうとしても、時間がかかるばかりで、良い結論は出ない。膨大な情報を集めるには手間がかかり、それを基に判断することは困難である。
企業において、論理的かつ理性的に意思決定していると、皆が同じ結論になる。すると、競争は、スピードとコストになる。日本は長年、この勝負で勝ってきた。しかし、その点でもいずれ追いつかれ、次なる差別化が求められる。それは、論理と理性ではない。

VUCAという、アメリカ軍が世界情勢を表現するために作った言葉を引用します。
Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(あいまい)の4つの単語の頭文字をつなげたものです。
論理的思考では、課題を分析し、因果関係を見つけて、結論を導きます。しかし、このような問題の場合は、そのような分析的手法が通じません。直感的な答えを試してみて、試行錯誤を繰り返し、良い結論に至ります。もちろん、勘だけで結論を出すのではありません。他者に説明する必要があります。
この項続く

皆既月食2

2018年2月2日   岡本全勝

友人から、1月31日の皆既月食の写真が送られてきました。「載せろ」という指示だと思います。Kくん、これで良いですか。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ期末試験講評

2018年2月2日   岡本全勝

82人の答案の採点をしました。全体について講評を書いておきます。

問1と問2は、大半の学生が、基本的なことを理解して答えていました。もっとも、「自治体の歳入の概要と特徴と地方税の概要を述べよ」という問に対し、(問に例示した)語句を羅列し、(問に例示した)分類をするだけの答案が多かったです。それだけでは、「概要と特徴」を答えていません。
問3は、機能については大半の学生が記述していましたが、果たしてきた成果について書いている学生は多くはありませんでした。
それらをしっかり書いている答案にはAをつけました。

地方税を述べる際に、所得税や法人税を上げている学生がいました。これらは、国税です。
「3割自治」を述べる際に、現在の税収が収入の3割だという答案が多かったですが、授業で取り上げたように現在は4割近くになっています。もちろん、これは自治体総額での割合です。自治体間でばらつきが大きいことを、しっかり書いていた学生もいます。

地方交付税の機能と成果を問う問題に、地方財政平衡交付金制度(地方交付税制度の前身)を書いている学生が数人いました。(試験に持ち込みを許した)私が授業で配付した資料にも出てこない、かなり専門的な話です。何か間違った参考書を見たのでしょうか。

日経新聞夕刊コラム第5回

2018年2月1日   岡本全勝

日経新聞夕刊コラムの第5回「お詫びの訓練」が載りました。今回も私の経験談です。でも、この話題は、民間企業の方も、興味を持って読んでいただけるでしょう。
ここでは、私の「形」の失敗談を書きましたが、もちろん重要なのは、説明の中身です。

より詳しくは、連載「明るい公務員講座中級編」で解説しました。また、このホームページに書いたこともあります。
お詫びの仕方・形も大切」「お詫びの仕方・中身が大切」「お詫びの仕方・付録

学校で習うことや、職場の研修で教わることは、「理想像」が多いと思いませんか。ところが、現場では「きれいごと」ばかりではすみません。
例えば、クレーマーへの対応です。管理職になったら、出来の悪い部下の指導、メンタルに病んでいる職員の対応があります。学校の先生だったら、いじめへの対応、落ち着かない児童の指導、モンスターペアレンツへの対応です。
「良い管理職」「良い先生」の教育はされるのですが、このような困った場合への対応は、より重要だと思います。