エスカレーターの乗り方が、変わってきました。
いつの頃からか、右側(関西では左側)を空けて、急いでいる人を通すようになりました。私も、『新地方自治入門』(2003年)では、「このようなマナーは、これから定着するのでしょう」と書きました。
ところが、右側は空いているのに、左にエスカレーターを待つ長い列ができていることがあります。これは無駄ですよね。しかし、「急いでいる人がいるといけない」「右に立ったら、歩いて登らなければいけない」と思う人が多いようです。
月別アーカイブ: 2018年12月
きれいな空と景色
寒くなってきましたね。今朝の東京は、小雨でした。
関東平野を北上すると、新幹線の窓から見える東の空は曇ったままでしたが、西の空が徐々に明るくなってきました。
そのうちに、遠くの山並みのシルエットが見え、その上に薄い青色の空、そしてその上の白い雲と。なんともいえない、きれいな景色でした。朝焼けとも違う、珍しい色合いでした。
川瀬 巴水の版画を思わせる、色合いと色の階調です。
そのうちに、空が明るくなって、その色合いは消えてしまいました。
福島産の海産物への理解
12月14日の福島民友新聞が「福島県産「海産物」…抵抗薄れる」を伝えていました。
福島大と東京大の調査です。それによると、福島県産の海産物の購入を控えたいという人の割合は、原発事故直後には、福島県、東京都、大阪府などで約4割ありました。それが、最近では1割強に減少しています。
水産物も農産物も、徹底した検査をしています。安全なものしか、流通していません。消費者にも、徐々に理解されてきています。
四角な座敷を丸く掃く3、先を読む
「四角な座敷を丸く掃く2、広く考える」の続きです。
図では、四角い仕事の外に、丸い範囲の考えを示しました。
いま担当している仕事が、組織の中で、社会の中でどのような位置にいるかを知っておくこと。関係する知識を仕入れて、勉強することが必要です。人脈を広げておくことも、ここに入ります。
そして、四角の仕事は、時間とともに変化します。右へ進んだり、上へ進んだり。左に膨らむことも。用済みになって、へこむ部分もあります。その変化を予想することも、重要です。「先を読む」です。
どの方向に動くかを予想する際に、その人の思考の広さが試されます。この予想は、宝くじではありません。これまでの歴史、社会環境の変化で、自ずと進む方向は絞られてきます。トンチンカンな予想をして、全く的外れの勉強をするのか。確率の高い方面を勉強するかです。
あなたは、仕事を小さく丸く掃いていますか。きちんと四角く掃いていますか。もっと広く考えていますか。この項、さらに続く。
『公卿会議』
美川圭著『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』(2018年、中公新書)を読みました。平安貴族たちが、どのように議論をし、国政を動かしていたかです。
天皇制、律令国家の時代です。建前は律令に従い、天皇が決裁します。三権が分立していませんから、立法・行政・司法のすべてを所管します。もちろん重要な案件は、徴税であり、治安であり、貴族たちの昇任です。
しかし、日本の天皇制は多くの場合、天皇独裁ではなく、その部下たちがおおむね決めて、天皇が裁可します。法皇が権力を持つ場合もあります。
すると、その部下たちと天皇との力関係、さらには部下の中での権力の所在が問題になります。摂政・関白が大きな力を持つのか、この本で取り上げられた公卿会議が機能するのか。そして、武家が入ってきます。
その力関係の変化が、解説されています。千年も前の資料が、よく残っていたものです。欲を言えば、具体の会議の内容を知りたかったです。ある案件を取り上げて、どのように会議が進められたかです。もっとも、資料の制約があります。
誰が、何を、どのようにして、決めているか。これは、政治学や歴史学の大きなテーマです。
現在の日本では、日本国憲法に従い、国会が国権の最高機関です。しかし、国会議事録を読んでも、実際の政策の決定過程はわかりません。また、閣議が内閣の決定の場ですが、この記録を見ても、現実の政策決定過程はわかりません。
会議の多くも、そうでしょう。議事録を見ても、誰がその課題を議題に載せたか、事前にどのような調整がされたのか、誰の意見が通ったのかは、わからないのです。会議に載らなかった重要案件も、大きな意味をもちます。
制度と運営の実態は、別物です。