朝日新聞「日曜に想う」に載りました。

今朝12月30日の朝日新聞「日曜に想う」、曽我豪・編集委員の「自省と覚悟 2人の問い今も」に、私が載っています。文章は、今年お亡くなりになった仙谷由人、園田博之両先生についてです。その中で、次のような文章があります。

・・・東日本大震災が起き仙谷氏は官房副長官に就いた。官房長官、党代表代行に続く起用は「降格」人事だったが、気にするそぶりはなかった。平服で異例の認証式を済ませ、すぐさま被災者支援の難題に立ち向かった。そして支援体制づくりの事務方のとりまとめ役に起用したのが、総務官僚から自治大学校の校長に転じていた岡本全勝氏だった。
永田町の常識でいえば非常の人事である。岡本氏は麻生太郎自公政権で筆頭格の首相秘書官を務めていたのだから。だが人脈をたどり旧自治省出身で地方財政に経験の深い岡本氏に行き着き、起用にあたって麻生氏に仁義を切ったと聞いていかにも仙谷氏らしいと思った。
大災害を前に民主党も自民党もない。使える人材や知恵を総動員して対応にあたらせたいと願ったのだろう。やがて復興庁が出来、岡本氏はその事務次官になって仙谷氏の思いを受け継いでゆく・・・

仙谷官房副長官から、被災者支援の事務方責任者の指示を受けた際のことは、鮮明に覚えています。日経新聞夕刊コラムの第1回にも、その話を書きました。

なお、曽我さんの文章の結論部分について、思うことを書いておきます。
政治とは、試行錯誤の積み重ねです。前例通りなら、行政(官僚)が上手に処理します。これまでにない事態、これまでにない事件の際に、どのように対応するかで、政治の力量が問われます。
結果を出すことが必要ですが、失敗した時もそこからどれだけ学ぶかが、政治家、政党、国民の値打ちだと思います。

曽我さんの指摘の通りです。「平成の30年は危機や失敗に学んで一つずつ古い政治を手直しした歴史だった」
国民は、政権交代と災害対応を学びました。自民党も政権交代について学びました。行政も災害対応を学びました。
すると課題は、我々は何を学んでいないかです。