時事ドットコム連載「明るい仕事講座」

時事通信社のウエッブサイト「時事ドットコム」で、「明るい仕事講座」が載りました。当初は、表紙の右「人気記事アーカイブ」に、漫画で入り口がありました。その後、漫画は、表紙下の「編集部セレクション」に移りました。
原本は「明るい公務員講座」ですが、公務員だけでなく民間の人にも役に立つとのことで、載せてくださるそうです。文章は、単行本に少し手が加わっています。補足説明

紹介 悩みに答える
第1回 9月1日 明るさは最大の武器
第2回 9月8日 返事は「ハイ」と元気よく
第3回 9月15日 一人で悩むな、抱えるな
第4回 9月22日 メンターを持とう
第5回 9月29日 中身の悩みと進め方の悩み
第6回 10月6日 実は人間関係に悩んでいる

日経新聞夕刊コラム「あすへの話題」2018年4月5日「新人諸君へ」での解説

震災から7年半

今日9月11日で、震災から7年半になりました。新聞各紙が、復興の状況を伝えています。
岩手・宮城両県では、公営住宅と高台移転宅地造成が進み、9割を超えています。しかし、空き部屋もあります。長期間の避難で、戻ることをあきらめた人もいるのです。仮設住宅居住者は、減っています。
福島では、避難指示が解除された地域の復興が進んでいます。しかし、まだ避難指示が出ている地域もあります。

福島民報新聞1面は、「居住者昨年比1.7倍 11市町村の避難解除地域4182人増の1万人超」を伝えていました。
私たちは、しばしば居住者の数値を、帰還率で把握しています。住民登録者数のうち、何人が居住しているかという割合です。多いところでは8割になり、少ないところ・避難解除がまだ最近の地域では1割です。率でとらえるのも、一つの復興指標です。
他方で、この記事のように、実数でとらえると実態が見えます。地域の人口が、1年で4千人も増えているのです。1.7倍になっています。うれしいことです。
住民が増えると、学校、病院、介護施設、商店などのサービス拡大が必要です。働く場も重要です。市町村と民間企業の事業再開を、国や県で支援しています。町のにぎわいの基礎は、働く場だということを実感します

買うことと維持すること、手入れすることと買い換えること

鹿島茂著『クロワッサンとベレー帽』に、次のようなくだりがあります。p173
・・・何が好きといって、ガラスやグラスをピカピカに磨くことほどフランス人の好きなことはない・・・
・・・ではいったい、フランス人のこのピカピカ好きはどこからきているのだろうか? おそらくそれは、かつてフランスが貴族社会だった時代の名残なのだろう。つまり、貴族社会のころ、裕福さの度合は、所有しているモノの高価さよりむしろ、その高価なものを維持していくためにかける人件費によって計られたのである。
たとえば、バカラのような高価なクリスタル・グラスを所有していても、それを日常的に使用していることを示さなければ、本当に裕福とはいえない。しかも、そのクリスタル・グラスが購入時と同じ輝きを持って使用されていなければならないのだ・・・

納得します。カネがあれば、高価なものも買えます。しかし、それを維持する、手入れをして使い続けることは、もっとお金が必要ですし、その意志と時間が必要です。カネにものを言わせて、次々買い換えることもできますが、その人とは哲学が違うのです。

なお、これを考える際には、日本とフランスとの伝統文化の違いもあります。かの国では建物は石で造り、手入れをしながら長年使います。時には、外壁はそのままで、内部は作り替えるとか。我が国では、建物は木造なので、神社仏閣などを除いて、時間が経つと建て替えます。住宅において、この違いは大きいです。
維持する文化と更新する文化の違いです。
ところで、鉄筋コンクリートの建物は、どちらに入るのでしょうか。どうも更新派に属すると思われます。アパートも、壊して建て替える方が多いでしょう。タワーマンションも、30年も経つとどうなるのでしょう。

暑い夏が急に涼しく

今日の福島市は雨で、気温は昼でも20度。昨日の東京は30度、明け方でも25度でした。
急に涼しくなりました。寒いくらいです。
それにしても、今年の夏は暑かったですね。さて、このあと、天候はどうなるのでしょうか。

教員と校長の違い

幹部と職員の違い」の続きです。
この点で、8月29日の読売新聞解説面、アンドレアス・シュライヒャーOECD教育スキル局長のインタビューが参考になります。日本の教育改革=「教師主導の学び」から「主体的・対話的で深い学び」への転換についてです。

・・・各学校で良い方法を取り入れる際、教師たちは協力し、教師一人一人が強い自覚を持ち、学校の実情に合わせて試行錯誤する。それにはリーダーシップが必要だ。時代の変化に対応しながら学校が進化し続けるためにも強力な統率力が不可欠だ。だが、OECD調査によると、日本の校長は各国に比べて、自らを学校教育を引っ張る存在だと意識していないようなのだ。
教師生活の最後を飾るため校長になるのは、必ずしも良いモデルではない。シンガポールでは教師になると、将来は教科の専門教師になるか、校長として学校を運営するか、人材に養成かなどの方向を決める。だから、40代の校長もたくさんいる。日本ももっと若い校長がいていい・・・

記事には、OECD調査「中学校長は教育でリーダーシップを取っているか」の各国比較が出ています。日本はダントツ最下位です。
ここには、二つの要素があると考えられます。一つは、今回指摘している、日本の職場に共通する、管理職と一般職員との区分の不明瞭さです。
もう一つは、文部省→県教委→学校現場という「上意下達方式」の教育内容・方法です。

連載「明るい公務員講座中級編」では、良い係長が良い課長になるとは限らないことをお教えしました。青虫が蝶々になるためには、脱皮しなければならないのです。
スポーツの世界でも、良い選手が必ずしも良いコーチや監督にならないことが知られています。しっかりした競技団体では、指導者研修を受けないとコーチや監督になれないようになっています。
この項続く