9月19日の朝日新聞「永守重信のメディア私評」「大学改革 ブランド主義・偏差値教育、破る議論を」から。
・・・今の大学教育には大変失望している。日本電産を創業して以来、国内だけで新卒の学生を約6600人採用してきたが、一流と言われる大学を出た学生でも英語は話せないし、専門分野もほとんどできない。多くの学生が即戦力にならないのだ。だから、企業で働けるように教育し直すのに、企業が時間もお金もかけている。こんな国は日本くらいしか見当たらない。
社内には、どの大学を出た社員がどんな仕事をし、どう昇進しているかを追跡したデータベースがある。一流大学の卒業生がいい仕事しているかと言えばそうでもないし、同期入社の中で二流、三流大学の卒業生が先に昇進することもよくあるし、同期のトップを走っていることもある。弊社はモーターの総合メーカーだが、新製品開発部門にも二流、三流大学の卒業生が多い。彼らの方が仕事ができるからだ。結論は、出た大学と偏差値は仕事のできとは全く何の関係もない・・・