省庁改革本部、減量班同窓会

先日、かつての省庁改革本部の減量班の同窓会をしました。
年に数回集まっているのですが、今回は発足20周年の記念の年なので、少々豪華に(といっても、しれてます。苦笑)。

2001年に実施された省庁改革、有名なところでは省庁再編です。その作業のために、私たちが事務局に集められたのは、1998年6月でした。私が参事官として担当したのは、組織や業務の減量です。その苦労は、日経新聞夕刊コラム1月25日に「鯉が包丁を持つ」で紹介しました。

その際に、2年半にわたり、一緒に苦労してくれた職員たちです。各省だけでなく、民間企業からも集まりました。「異業種」の人たちが集まり、一緒に苦労したので、結束が固いです。
また、労をいとわない幹事がいてくれるので、20年も続いています。それぞれに出世して、すなわち、その後も省庁や企業で苦労するポストを経験しています。その近況報告を、私生活とあわせて聞くのが、楽しみです。

20年は、過ぎてしまうと、あっという間です。私は、富山県総務部長から赴任しました。当時43歳でした。若かったですね。
この会は、まだ長く続きそうです。

中間貯蔵施設の広報

中間貯蔵施設の状況がわかるホームページができました。
「中間貯蔵施設」と聞いても、何の貯蔵かわからない方も多いでしょうね。原発事故で飛散した放射性物質を取り除くため、除染した土などを貯蔵する施設です。
除染とは、田畑は5センチほど土をはぎ取りました。建物は水で洗浄しましたが(汚れた水は回収しました)、解体した建物もあります。これらの作業で出た土やがれきは、フレコンバッグに入れて、いったんその近くで保管しました。これを、第一原発近くにつくった「中間貯蔵施設」に運び込むのです。
なお、除染作業は、避難指示が残っている区域を除いて、完了しました。

フレコンバッグは略称で、正式にはフレキシブル・コンテナバッグと呼びます。合成繊維でおられた大きな袋です。除染には、縦・横・深さとも1メートルの大きさのモノを使っています。一袋を、1立方メートルと換算しています。
中間貯蔵施設には、約2千万立米を運ぶ予定なので、2千万袋になります。輸送の際には、ダンプトラック1台に、6袋積みます。
こぼれないように(といっても危険な数値ではありません)、輸送も厳重に管理しています。今どこをダンプカーが走っているかを、GPSを使って監視しているのです。それも、ホームページで見ることができます。夜見ても、ダンプは走っていないので、昼に見てください。

「施設」といっても、建物があるわけではありません。フレコンバッグのまま積み上げたり、袋から出して大きなプールのようなところに埋めます。「仕組みと写真
全体の敷地は、1600ヘクタールありますが、ほとんどが山や丘陵です。そのところどころに、プールのようなものをつくったり、フレコンバッグを積み上げます。

動画による解説もあります。

孤独という社会問題

7月31日の朝日新聞オピニオン欄「孤独は病か」、岡本純子さん(オジサンの孤独研究家)の発言から。
・・・孤独は老若男女、日本のあらゆる年代に広がっています。誰にでも訪れる短期的な孤独には耐えることも必要でしょう。しかし、人とのつながりがなく、頼る人がいない恒常的・長期的な孤独を放置してはいけません。孤独は多くの人の精神と身体をむしばみ、社会問題にも関わる、深刻な病の一つなのです。

私は、これまでに約1千人の社長や企業幹部のコミュニケーションのコーチングをしてきました。その経験から、日本人、特にコミュニケーションが苦手なオジサンは、孤独に陥りやすいと感じてきました。その理由は、日本独自の文化や価値観にあります。
日本人は一つの会社に長く身を置く傾向があります。会社というムラ社会の内部で重視されるのは、上意下達のタテのコミュニケーション。しかも、内の人との和を大切にしすぎて、望まない人間関係も強いられ、人と関わることに疲れ切ってしまいます。その結果、外の人や異文化とわかり合う努力をしなくなり、フラットなコミュニケーションが苦手になります。

また、日本では、定期的に集まる教会、市民団体などでの活動などがあまり身近にありません。人と人とのつながりや信頼関係を意味する、ソーシャルキャピタルの充実度のランクは149カ国中101位。先進国で最低です。最近の「1人で十分」「つながりはいらない」という、孤独美化の風潮が、日本人の孤独化を悪化させることを危惧しています。
引きこもり、介護、貧困、いじめなどの社会問題は、誰ともつながらず、孤独であると深刻化します。様々な事件でも「周囲からの孤立」が背景にある場合が多いのです・・・

ぜひ、原文をお読みください。

福島市で国と地方の協議会開催

今日8月9日は、福島市で、「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開催しました。
最近は、半年に1回開催しています。関係大臣と知事や県内各界代表が集まって、復興の進捗状況を確認し、次への課題を議論します。今日も、復興、経産、環境の3大臣が出席し、知事や市町村長と意見を交換しました。
いつも書いていますが、現地で、大臣と地方の関係者が定期的に議論を交わすことは、重要なことだと思います。

あと2年半で復興・創生期間が終わりますが、福島の復興はまだ道半ばです。来年に必要な予算とともに、次の10年をどうするかが、重要な議題でした。
最近の動きも、簡潔な資料として載せてあります。利用してください。

震災復興加速化、与党提言

7月27日に、与党から総理に、震災復興加速化のための第7次提言の申入れがなされました。少し古くなって恐縮です。
与党復興加速化本部では、これまで、復旧の現状を踏まえ、とるべき措置について政府へ申し入れがされてきました。今回で7回目になります。
今回のポイントは、次のようなものです。
・津波被害地域では、甚大な被害を受けた地域でも、復興の総仕上げの時期。2020年度には、復興を成し遂げる。
・原発被災地では、中長期的な取り組みが必要。復興・創生期間後も、引き続き国が前面にたって取り組む。特定復興再生拠点の整備計画が認定され、それを進める。

与党申し入れは、現状を分析した、進むべき羅針盤です。この申し入れに沿って、関係省庁が、地元と協力しつつ、復興を進めていきます。