5月19日の朝日新聞別刷り「フロントランナー」、ギャンブル依存症問題を考える会代表理事の田中紀子さんの発言から。
「日本はギャンブル大国と言われます」について
・・・たとえば、全国どこへ行ってもパチンコ店があります。かつては30兆円産業といわれていました。売り上げは落ちてきているとはいえ、いまも20兆円前後あるとみられています。
出玉は直接、現金には換えられません。「娯楽施設」の位置づけですが、「特殊景品」と呼ばれるものが別の場所で現金化されています。法律に抵触しないようにするためのレトリックに過ぎず、事実上のギャンブルです・・・
「厚労省は昨年9月、ギャンブル依存症の疑いがある人は全国に約70万人いると推計を発表しました」について
・・・過去1年間で発症した疑いがある人の数です。それ以前を含めるともっと多くなり、罹患者は320万人いると推計されています。
怖いのは、家族や友人など周りの人を巻き込んでしまうことです。家族を実態調査したことがあります。「借金を肩代わりしたことがある」と答えた人は8割以上に達しました。100万円以上から300万円未満が24・1%、300万円以上から500万円未満が22・9%でした。「1千万円以上」と答えた人は17・5%もいたのです・・・
「依存症に社会はどう向き合うべきでしょうか」
・・・精神論や道徳論で片付けられないことを理解すべきです。最初は好きでやっていたとしても、ある段階からは「やめたい」と思っていながらやめることができないのです。回復までには時間がかかります。医療機関や施設につなぐ社会の環境づくりが大切です・・・
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