地方財政健全化法から10年

4月1日の朝日新聞が「財政健全化法10年、自治体は今」を詳しく書いていました。
・・・自治体の倒産を未然に防ぐ。そんな狙いの地方自治体財政健全化法が施行されたのは、北海道夕張市が財政破綻(はたん)した翌年のことだ。それから10年。最悪水準の借金を抱える国と比べて、地方は指標上は財政再建が進んだ。ただ、緊縮財政で住民が流出する悪循環も起きている。健全化は、本物か・・・

記事によれば、標準的な収入に対する借金返済額を示す実質公債費比率でみると、新たな借り入れ(起債)に国や都道府県の許可がいる自治体は、2007年度の436から2016年度は15まで減り、2008年度に健全化法の黄信号にあたる早期健全化基準以上だった自治体は21が2013年度以降は一つもなくなりました。赤信号とされる財政再生団体の夕張市が残るだけです。

第二の夕張市を生まないこと、財政状況の悪化している自治体に健全化努力をさせることについて、成功したと言って良いでしょう。もっとも、国も地方も、総体的に赤字国債と赤字地方債に依存していて、財政状況は悪化したままです。

自治体向け災害対応図書

最近出版された、自治体向け災害対応に関する図書を紹介します。

稲継裕昭編著『東日本大震災大規模調査から読み解く災害対応-自治体の体制・職員の行動-』(2018年、第一法規)。この本は、東日本大震災の被災自治体職員を対象としたアンケート調査結果を分析したものです。現場で経験した職員たちの声であり、それも単に羅列するのではなく、分析したことが有用です。

室田哲男著『自治体の災害初動対応~近年の災害対応の教訓を活かす~』(2018年、近代消防社)。著者は、総務省消防庁や自治体で、多くの大災害を経験しました。その経験と反省をもとに、自治体への助言をまとめたものです。

それぞれに、現場経験を基に分析を加えているので、説得力があり、全国の自治体にとって有用です。お勧めします。

大学生、勉強と読書よりスマホ。

全国大学生協の「学生生活実態調査」です。
1日の平均読書時間は24分、他方でスマホをいじっている時間は3時間です。
年々減少する大学生の読書時間。遂に、全く読まない学生の割合が、半分を超えたそうです。もっとも、読んでいる学生はいるので、二分化している(といっても、読まない大勢と、よく読む少数)ということです。

調査によれば、次のようです。
授業時間を除く予習・復習・論文などの勉強時間は、1日平均50分。学部別では、文系32分、理系60分、医歯薬系73分です。
1日の読書時間は平均24分。1日の読書時間が「0分」の割合は53%です。「120分」以上は2004年から4.5%〜7.5%を推移し、「0分」が4割を超えた2013年以降も5%以上を継続。長時間読書する層が存在することにより、読む人の平均は51分です。
1日のスマートフォン利用時間の平均は177分。利用時間「0分」(スマホを持たない、または利用しない)は1%と、ほぼ全員が利用しています。

まあ、昔から学生の中には、本をよく読む学生と読まない学生がいました。驚くことはないのかもしれません。
読まなくても卒業できる。大学に籍は置いているけれど、勉強はしない。そういう学生が多いということです。多くの学生にとって、大学生活は、大いなるお遊びの時間、モラトリアムの時間のようです。
すると、本を読んで知識を得る学生、本の読み方やものの見方を身につける学生は、良くできる一握りの学生になることができます。それは、社会に出ても、財産です。
こうして、努力する人とそうでない人に差が出ます。とはいえ、全体の水準が落ちることは、良くないですよね。勤勉であることは、これまでの日本人の長所・財産だったのですから。

福島県民、復興の実感

4月2日付の福島民報によると、社の県民世論調査では、県内の復興を「実感できる」と答えた人がが11.5%、「どちらかと言えば実感できる」が35.2%、あわせて46.7%です。
「実感できない」が9.9%、「どちらかと言えば実感できない」が30%、あわせて39.9%です。
実感できる人の方が、上回っています。

関係者の努力が認識されてきた、ということだと思います。実感できないと感じている人も多く、復興も始まったばかりですが、復興に携わっている関係者には、励みになることです。

避難指示解除区域、学校の再開

昨年4月に、多くの避難指示区域で、指示を解除しました。それから、1年が経ちました。
各市町村で、学校が再開されつつあります。学校そして子どもたちの声は、地域にとって賑わいの指標です。

他方、楢葉町では、避難町民向けの仮設住宅と借り上げ住宅の提供が終了しました。楢葉町は平成27年9月に避難指示が解除されたので、2年半が経ちました。仮設住宅住まいと避難生活は、その方々に肉体的精神的に大きな負担です。できれば、早く解消した方が良いのです。
津波被災地域でも、順次、仮設住宅の提供を終えています。その際には、役場が丁寧に各戸を回って、行き先の相談に乗っています。楢葉町も、各世帯の相談に乗りました。

また、避難指示が出た町村が避難先で開いていた役場支所も、閉所しています。
順次、平常に戻りつつあります。