ピーター・バーク著『文化史とは何か』(邦訳改訂版2010年、法政大学出版局)を読み終えました。先日紹介した、長谷川貴彦著『現代歴史学への展望』に触発されてです。
欧米の歴史学(すなわち、ほぼ世界の歴史学の主流)、特に文化史が、どのように変化してきたかが、よくわかりました。
バークは、次のように、その変遷を整理します。
古典的文化史(ブルクハルトやホイジンガ)、社会学(ヴェーバー)から美術史(象徴やゴシック建築研究)へ、社会と文化への関心、民衆の発見。
エリート(芸術)文化研究から出発した文化史が、社会学を踏まえ、民衆を含めた文化史(時代史)へと変化したと、私は理解しました。
そのような視点からの、日本史、日本社会史、精神史、文化史は、書かれないでしょうか。イギリス社会史は、いくつか邦訳があります。